「カフェイン過多は体に悪い」は大間違い…香りを嗅ぐだけで血管が若返る「コーヒー」の驚きの効果
脳をいつまでも若々しく保つためには、何を摂取すればいいか。精神科医の保坂隆さんは「少し前までは『コーヒーは体に悪い』という報告があったが、近年はコーヒーが死亡リスクを低下させ、香りを嗅ぐだけでも血管の若返りに役立つということがわかっている。一杯のコーヒーで、しなやかで丈夫な血管が守られ、さまざまな病気が防げるのなら、こんなに楽で、ありがたい健康法はない」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、保坂隆、西崎知之『おだやかに80歳に向かうボケない食生活』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。 ■「カフェインが多くて体によくない」コーヒーは過去の話 近年、“評価”が高まっているのがコーヒーです。 少し前までは「カフェインが多くて体によくない」とか「一日3杯以上は体に悪影響を及ぼす」などといわれて、ヘルシーなイメージはありませんでしたが、最近は一変。体にいいものだというデータが次々と発表されて、一躍ヘルシーな飲み物として脚光を浴びました。 そのため、今まで肩身の狭い思いをしてきたコーヒー好きは、上機嫌でコーヒーを周囲にすすめ、アメリカではその消費量も増えているといいます。 公表されたデータのなかには、「コーヒーを飲むとがんにかかりにくい」とか「肝機能を高める」「脂肪燃焼効果がある」など、現代人にうれしい内容も多く、今や「コーヒーは体に悪い」というのは過去の話になったようです。 日本でも、東京大学と国立がん研究センターが「コーヒーを飲む習慣のある人は心臓病や脳卒中などによる死亡リスクが低下する」という調査結果を発表して話題を呼びましたが、さらに「コーヒーを一日3~4杯飲むと、心臓病死の危険性が4割減る」という報告もあって、評価が一気に高まりました。
■コーヒーの香りを嗅ぐだけでも血管が若返る また、コーヒーには優れた「血液サラサラ効果」があることもわかり、脳血管疾患や心筋梗塞を心配するシニアには朗報となりました。しかも、香りを嗅ぐだけでも血管の若返りに役立つというのですから、驚きです。 香りは、鼻から脳に入るとリラックス回路を活性化しますが、コーヒーの香り成分に多く含まれるピラジン酸には血小板が固まるのを抑制する作用があるため、脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが抑えられるというわけです。 目覚めのコーヒー、食後のコーヒー、音楽を聴いたりテレビを見てすごす時間などの一杯のコーヒーで、しなやかで丈夫な血管が守られ、さまざまな病気が防げるのなら、こんなに楽で、ありがたい健康法はありません。 ぜひ、ゆっくりとコーヒーの味と香りを楽しんでみてください。 ■活性酸素=悪玉説と呼ばれるようになったわけ ここで、活性酸素についてもふれておきましょう。 活性酸素は体の細胞や組織をサビさせて、老化、免疫低下、機能低下を招きます。もちろん、美容の大敵でもあります。 健康に気を使う人が増え、また、健康に関する情報も伝わりやすい今日、活性酸素=悪玉説はいまや多くの人の知るところになったと思いますが、じつはこの活性酸素、もともとは「いいやつ」なのをご存じでしょうか。 体に細菌や異物などが侵入してきたときは、これらと勇敢に戦い、撃退し排除してくれる正義の味方でした。 ところが、環境が汚染され、オゾンホールから紫外線が大量に降り注いだり、添加物の摂取などで、活性酸素が大量増員されるようになりました。おまけにストレスの多い生活を続ける現代人は、過剰に活性酸素を作り出すようになったのです。 そしてとうとう、増えすぎた活性酸素は健康な細胞まで攻撃してダメージを与えるようになってしまいました。とくに、悪玉コレステロールと結びついて起こす動脈硬化は、心臓病や重大な病気の原因になります。