対中国の関税優遇「撤回を」 米議会諮問機関、貿易を問題視
【ワシントン共同】超党派の米議会諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」は19日、年次報告書を公表した。中国による知的財産の侵害や不公正な貿易慣行を問題視し、中国からの輸入品への低率関税を認めている優遇措置「最恵国待遇」を撤回するよう議会に提言した。中国側に改善の兆しが見られないとし、米産業保護に向けて強硬な政策への転換を訴えた。 最恵国待遇は、世界貿易機関(WTO)の規定に基づき関税を低く抑える措置。議会が撤回を承認すれば関税率が引き上げられ、米中対立の激化は不可避となる。 トランプ次期米大統領は中国からの輸入品に60%の関税を課すと主張。上下両院を押さえた共和党は大統領選の公約で中国への待遇撤回を明記しており、議会の対応が焦点となりそうだ。 日米欧のG7は2022年3月、ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、ロシアの優遇措置除外で合意。同年4月から、日本は関税率を引き上げている。
調査委は、半導体など米国の先端技術が中国に使われ、米国の国家安全保障を脅かす可能性があるとも指摘した。