「ふてほど」流行語大賞で「18冠」 宮藤官九郎氏が“コンプラ縛り”の現代への思い描いた神ドラマ
年末恒例の「2024ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)が2日に発表され、俳優の阿部サダヲ(54)主演で今年1月期に旋風を巻き起こしたTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」の略称「ふてほど」が年間大賞に選ばれた。ドラマ界の賞を総なめした同作が、流行語大賞で“18冠”となった。 【写真あり】「令和の百恵ちゃん」大ブレーク!「ふてほど」P語る 河合優実の凄さ 「ふてほど」は宮藤氏がオリジナル脚本を手掛けたヒューマンコメディー。主人公は1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまった“昭和のダメおやじ”体育教師の小川市郎(阿部サダヲ)。彼の“不適切”な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるヒントを与えた。 毎回、昭和と令和のギャップなどを小ネタにして爆笑を誘いながら、「多様性」「働き方改革」「セクハラ」「既読スルー」「ルッキズム」「不倫」「分類」、そして最終回は「寛容」と社会的なテーマをミュージカルシーンに昇華。コンプラ社会に押し付けがましくなく一石を投じる宮藤氏の意欲的な筆が冴え渡り、SNS上で大反響を呼んだ。 宮藤氏は制作発表記者会見の際、同作に込めた思いについて「現代は、いろんなことが“ダメ”って言われるようになったじゃないですか。“これはダメ、ああしちゃダメ”って。でも、なぜダメなのかを考えなくなってきている」と、ダメダメと制限ばかりの現代への疑問が背景にあったと語っていた。 そんな「ふてほど」はギャラクシー賞をはじめ、ザテレビジョンドラマアカデミー賞や放送文化基金賞、ATP賞テレビグランプリなど数多くの賞を受賞。 10月28日に発表された「東京ドラマアウォード2024」で作品賞(連続ドラマ部門)優秀賞、脚本賞(宮藤官九郎氏)、演出賞(金子文紀監督)、主題歌賞(Creepy Nuts「二度寝」)を受賞し、17冠の表彰ラッシュで話題となった。