株高を牽引するAIブームはアメリカ経済にとって幻想だ
AIブームの象徴であるエヌビディア。同社への需要が増えても、主に台湾からの輸入が増えるだけで、アメリカ一国としての恩恵はかつてより少ない(写真:ブルームバーグ)
アメリカ株式市場では、人工知能(AI)半導体への期待が株高の牽引役となっている。10月には、TSMC( TSM )の好決算が米株価を押し上げた。TSMCは、半導体大手エヌビディア( NVDA )から画像処理半導体(GPU)の製造委託を受けているため、TSMCの好決算はエヌビディアの成功を反映、それがAI分野への楽観的な見方を一層強めたようだ。 ミクロ的にみればその構図に間違いはなさそうだが、AI投資ブームの持続性がアメリカ経済の持続的な成長をもたらすのかというマクロ的視点に立つと、先行きは楽観できない。理由ははっきりしている。アメリカではハイテク部門の空洞化が進んでいるためだ。
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小野 亮