春は「寒暖差のとおり道」だった!どうしても避けられない気温変化を乗り切るコツを気象予報士が解説
春は寒暖差の大きい季節。 日々の気温変化で体調を崩してしまう「春バテ」という言葉もありますが、そういえばなぜ春はこんなにも寒暖差が大きくなるのでしょうか? 専門家によると、どうやら春には寒暖差を避けられない理由があるようです。 【画像】春は「寒暖差のとおり道」だった!どうしても避けられない気温変化を乗り切るコツを気象予報士が解説 今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、春の寒暖差のワケと、うまく乗り切るコツを教えてもらいます。
日本が「寒暖差のとおり道」になってしまう
春に寒暖差を引き起こすカギは、偏西風と呼ばれる風の位置にあります。 偏西風は、かつて理科の授業で出てきた記憶のある人もいると思いますが、日本付近の上空を西から東へと吹いている強い風のことです。 この偏西風は、じつは1年中同じところを吹いているわけではなく、季節によって吹く位置が変わります。 冬の間は北海道よりも北側、そして夏になると日本の南の海上をとおり、その間の春はちょうど列島の真上をとおることになります。 そして、この偏西風が“真っすぐ吹いていない”ことにより、偏西風のとおり道がまさに「寒暖差のとおり道」になってしまうのです。
寒気と暖気が行ったり来たり…
春に日本列島上空をとおる偏西風は、西から東へと直進しているわけではなく、正確には南北に波打ちながら吹いています。 よく「蛇行している」と表現されるのですが、波のように山・谷・山・谷をくり返しながら吹いているのです。 この山・谷・山・谷…のうち山へ向かう部分では、風は南から北へ吹くことになり、つまり南から暖気が運ばれてきます。 逆に谷へ向かう部分では北から南へ風が吹くため、寒気が流れ込んでくるというわけです。 その結果、数日おきに暖気と寒気が交互にやってきて、どうしても数日おきに気温が大きく変化することになります。 そして蛇行が激しくなって南北に大きく波打つときには、気温変化も激しくなるのです。
春の不調は時差ボケに似ている!?
気温変化が激しいと、いつもより疲れやすくなってしまったり、仕事や家事の集中力が落ちてしまったりと、なんとなく体の不調を感じる人が多いのでは。 こういった寒暖差による不調を感じているとき、体のなかでは海外旅行後の時差ボケのときのように体内時計がズレて、自律神経が乱れてしまっていることがよくあります。 そのため、できるだけ食事の時間を毎日同じにしたり、起床・就寝時間を毎日そろえることで、体内時計のズレが修正されて体調が整いやすくなります。 もちろん、つらいと感じる場合は無理せず医療機関を頼るようにしましょう。