【解説】「政権運営」今後どうなる? 与党で過半数割れ
日テレNEWS NNN
与党過半数割れとなった27日の衆院選。日本テレビ・井上幸昌政治部長が解説します。
山崎誠アナウンサー 「改めて議席数から見ていきます。自民党は191議席と公示前の247議席からは大きく議席を減らしました。また与党・公明党も石井代表が落選するなど、議席を減らして24議席となりました。この結果、自民・公明の与党はあわせて215議席で過半数の233議席を確保することができませんでした。この結果というのはどういった形で受け止めているのでしょうか?」 井上幸昌日本テレビ政治部長 「裏金問題などを適切に対処できない自公政治に対して厳しいおきゅうが据えられたとみていいと思います。ただ、立憲民主党が大きく議席を増やしましたけれども、以前の民主党政権が誕生した時のような、有権者が『変革』を求めた結果ではないというふうにみています。既成政党への不信感も表れていまして、例えば刷新イメージをもたれた『国民民主』や『れいわ』の躍進に結びついています」 「この現象ですけれども、7月の都知事選で言えば石丸伸ニさんが躍進したのと同じような現象と言えると思います」 山崎アナウンサー 「これまでの政党に対する閉塞(へいそく)感、不信感から他に票が回ったという形になりますね」
山崎アナウンサー 「そうした状況を受けて自民党内の動きを見ていきたいと思います。過半数獲得を実現できなかった責任を誰が取るのか注目されていましたが、石破首相と森山幹事長は続投の意向を示しています。ただ、これに対してある閣僚経験者は、『首相も幹事長も辞めないじゃ済まない』と話しています。井上さん、この続投の意向についてはどうみますか?」 井上政治部長 「政権を投げ出して長い政治空白をつくることが今の日本にとっていいのかという問題もやはりあると思います。交代論が出ている幹事長ポストについてなんですけれども、党内からは『こんな大変な時にやりたくない』という声まで上がってしまっています」 森圭介キャスター 「今回、自公で過半数を割り込んでいて、自公で他と組むのかどうかわかりませんけれども、この少数与党で今後の政権運営はどういうふうになっていくんでしょうか?」 井上政治部長 「非常に不安定な状態になることは間違いないとみています。30年前(1994年4月~)の羽田内閣ですが、これまさに少数与党でした。内閣が発足する直前に連立を組んでいた社会党が離脱したため、少数与党となってしまいました。結果、わずか64日で総辞職に追い込まれました」 斎藤佑樹キャスター 「この少数での政権運営というのはどういうところがハードルになっていくんでしょうか?」 井上政治部長 「相当手間がかかるのは、都度、野党側との調整が必要となってきますので、政権の体力を消耗し続けるという問題があります。現在の日本の状況を見ると、喫緊の課題であるデフレですとか賃上げ、この政策の遂行なども他に調整コストがかかってしまいますので、停滞する恐れがあるんじゃないかと思います」 山崎アナウンサー 「いろいろ進めていこうにも、少数与党だとなかなか簡単にはいかないという状況になります」