現職4人軸に混戦 今夏の参院選埼玉選挙区 現職は自民、公明、立民、共産 国民は1月中に候補発表
今年夏の第27回参院選は各党が改選124(選挙区74、比例代表50)と東京選挙区の非改選欠員1補充の計125議席を争う。自民、公明両党が過半数の125議席を維持できるかどうかが最大の焦点となる。改選4議席の埼玉選挙区は、自民、公明、立民、共産の各党現職が出馬に向けて準備を進め、昨年10月の衆院選で勢いづく国民民主や維新などの候補がどこまで票を伸ばせるか注目が集まる。 3年前の前回参院選 埼玉選挙区、自公が議席維持 前知事、立民手堅く 維新、れいわ、共産など及ばず
24日召集の方針が示されている通常国会では与野党の激しい攻防が見込まれ、石破茂首相は予算案が否決された場合など、参院選に合わせて衆院を解散し、衆参同日選とする可能性にも言及している。24日召集の場合、6月22日までの国会会期を延長しなければ、公選法の規定で参院選は7月3日公示、20日投開票が軸となる。 過去3回の参院選埼玉選挙区を見ると、自民、公明が手堅く2議席を獲得しているものの、2候補の合計得票数は約154万、約131万、約120万と減少しており、自民県連幹部は「政権与党として国民の信頼を取り戻さなければ党の未来はない」と危機感をにじませる。 自民は衆院選での与党過半数割れを受けて2人目の擁立を断念し、現職の古川俊治氏(61)の4選に全力を注ぐ。古川氏はかつて公明党との連携に否定的な考えを示していたものの、柴山昌彦県連会長は「各地区の選挙協力などが即座に大きな変化を迫られる可能性は高くない」と協力継続の方針を示している。
公明は昨年12月の党県本部大会で県代表に就任した現職の矢倉克夫氏(49)が3選を目指して出馬する見込み。衆院選では自民批判が飛び火し、石井啓一前代表が落選。組織の立て直しを図る。塩野正行公明党県本部副代表(県議)は「与党に対して有権者の怒りがあったのは間違いない」と引き締める。 立民は2019年参院選で初当選した熊谷裕人氏(62)を公認し、連合の推薦も取り付けた。さいたま市議を07年から3期、18年1月の党県連設立時から幹事長を務め、関係者は「地元では強いが、それ以外の地域で無党派層をどこまで取り込めるか」とポイントを挙げる。 共産現職の伊藤岳氏(64)は昨年11月に立候補を表明。「政治の変化をさらに前に動かしていく」と述べ、中心政策として(1)学費と奨学金の返済を半額にする(2)中小企業への直接支援・賃上げ・労働時間短縮(3)現行の保険証を残す―を掲げている。 国民民主は1月中に候補者を発表する見通しで、22年参院選では同党の推薦を受けた上田清司前知事が50万1820票を獲得し、15人中2位の得票で2選を果たしている。維新や社民も候補者擁立への検討を進め、参政党は昨年10月の衆院選比例・北関東で立候補した元飯能市議の大津力氏(53)を埼玉選挙区の公認候補として発表している。
改選を迎える参院議員の任期満了は7月28日。公選法は参院選日程について(1)議員任期が終わる日の前30日以内に行う(2)選挙を行うべき期間が国会開会中か閉会日から23日以内にかかる場合は、閉会日から24日以降30日以内に行う―と規定している。