「基本的には顔面NG」直木賞受賞作家がマスク姿でメディア初登場 三浦しをん氏も「嫌だった」作家の顔出しアリ? ナシ?
7月17日、第171回芥川賞・直木賞の選考会が都内で開かれ、朝比奈秋氏の『サンショウウオの四十九日』(新潮社)と、松永K三蔵氏の『バリ山行』(講談社)が芥川賞を受賞。直木賞は、一穂ミチ氏の『ツミデミック』(光文社)が受賞した。 【写真あり】“顔出し”について語った三浦しをん氏 「今回、直木賞を受賞した一穂ミチ氏は、これまで顔出しをせず、兼業での執筆活動を続けてきました。今回、マスク姿でメディアに初登場し、受賞の喜びを語った一方で、『基本的には顔面NGでお願いしたいと思っていて、マスクがギリギリです』と本音を吐露していました。 今回はノミネート時に芥川賞、直木賞合わせて10人中3人が顔出しNGという状況で、一穂氏もそのひとり。受賞後に顔出しを“一部解禁”した形となりました」(文芸担当記者) 選考委員を務めた作家の三浦しをん氏は作品の講評で、 「私自身、小説家になったときに絶対顔を出す感じだったんです、当時。それがすごい嫌だった。絶対なんか言われるじゃないですか、ブスとか」 と、かつての自身の体験を明かし、 「雑念を読者に与えることはせず、作品だけを楽しんでもらいたいと考える方は当然、いらっしゃると思うので、ぜんぜんいいと思う」 と、顔出しの是非について私見を述べた。 「作家の顔出しについては、かねてから作品のファンの間でも、しばしば議論が起こってきました。たとえば、ベストセラーを多数生んだ大阪出身のある作家は、アクが強すぎるキャラクターのあまり、『せっかくの純愛小説なのに作家の顔がちらついてしまう』『できれば顔出ししてほしくない』といった声が、以前からよく聞かれました。 先の都知事選でも、顔出ししない候補者が話題となりましたが、昨今は歌手のAdoさんのように、顔出しせずに活動するアーティストも増えつつあります。今回、直木賞を受賞した一穂さんや、三浦しをんさんの発言は、あらためて『作家に顔出しは必要か』を世に問う機会になりそうです。 若い世代でいえば、マンガやライトノベルには“覆面作家”が非常に多く、著者の顔などわからなくて当然、という風潮もあります。小説ばかりが“顔出し”前提という時代も変わりつつあるのでしょう」(同前) 今後は、受賞会見もバーチャル空間になったりして……。