ガソリン補助縮小、19日値上げへ・1月にも
ガソリンや灯油などの価格が全国で19日から上がる。政府が石油元売り会社に支給する補助金がこの日から縮小されるため、青森県でもガソリン1リットル当たり5~7円程度の上昇が見込まれる。来年1月16日前後には、さらに値上げとなる可能性が高い。 今月9日時点の青森県のガソリン価格は171円10銭で、ここ1年間は170円程度で推移している。関係者の話を総合すると、19日以降は175円程度、来年1月16日以降は180円程度に2段階で値上げされる見込み。灯油も店頭現金価格で18リットル2046円なのが100円前後上がることになる。 「これ以上価格が上がると困ってしまう。ストーブに使う灯油代も高いし、生きるのに大変だ」。13日、青森市内のガソリンスタンド。給油していた山内恭司さん(75)は語気を強めた。毎日家族を病院などに車で送迎しているという。 同市の八木澤勝則さん(75)も「スタッドレスタイヤを着ける冬場はガソリンの消耗も早い。(値上げすると)車で移動できなくなる」と嘆く。暖房などで燃料を多く使う冬季の値上げに、家計への負担増を心配する声が多く聞かれた。 政府の補助金支給は2022年1月に始まった。家計の負担軽減につなげるのが狙いで、現在はレギュラーガソリンの場合、全国平均小売価格が1リットル当たり175円を上回らないよう調整されている。重い財政負担などを背景に政府は今月19日、来年1月16日に補助率を下げる方針だ。 小鹿産業(青森市)が運営する同市青葉3丁目のガソリンスタンド「セルフ青葉SS」の藤盛傑マネージャーは「(補助金の減額は)仕方がない。19日の朝から値上げをすることになると思う。お客さんにはできるだけ18日までに給油をするように(同社の)アプリなどで知らせている」と話した。 県内のガソリンスタンドなどが加盟する県石油商業組合青森支部の越田昭雄事務局長は「国の財源もいつまでも続くというわけではない」と補助減額に一定の理解を示す。一方で「消費者にとって大きな打撃になる。本県ではこれから除雪の時期。業者にとっても大変になると思う」と語った。 ガソリン価格を巡っては自民、公明、国民民主3党が今月11日、ガソリン税に上乗せされている暫定税率(1リットル当たり25.1円)を廃止することで合意したが、廃止時期は明らかになっていない。