DeNA・筒香嘉智「横浜で優勝」 異例の公開入団会見、雨のハマスタにファン9600人
米大リーグのジャイアンツからDeNAに5年ぶりに復帰した筒香嘉智外野手(32)が18日、横浜スタジアムで入団会見に臨み、「ベイスターズで優勝したいという思いが日本でプレーするモチベーションになった」と決断の理由を明かした。詰めかけた約9600人のファンの前で背番号25のユニホーム姿を披露。貪欲に定位置を奪い取る覚悟も示した。 愛すべき背番号25が、横浜スタジアムに帰ってきた。サプライズで登場した三浦監督からユニホームを手渡され、筒香が笑顔で袖を通す。雨に打たれながら「おかえり」と声を張り上げたファンに迎えられ、胸を高鳴らせた。 「正直、かなり鳥肌が立っている。ベイスターズで優勝したいという思いが、日本でプレーするモチベーションとなった」 巨人など複数球団から獲得オファーがあった中、10年間プレーした古巣への愛着が復帰の決め手となった。慣れ親しんだ背番号25は、2020年にメジャーに挑んでから空いたままだった。「本当に感謝しても足りないくらい」としみじみと語った。 米国で独立リーグを含む7球団を渡り歩いた。今春はジャイアンツのキャンプにマイナー契約の招待選手として参加したが、メジャー昇格を果たせずに退団。その直後に三浦監督から電話がかかってきたことを明かした。「おい、帰ってこいよ。じゃあ、またな」。やり取りは15秒ほどで終わったというが、かつてともにプレーした指揮官の熱意も胸を打った。 16年に44本塁打、110打点で2冠に輝いた。17年には主将としてチームを導き、日本シリーズ進出に貢献した。偉大なスラッガーの再出発を後押ししようと、異例の無料開放となったスタンドに詰めかけたファンは何度も応援歌を合唱。三浦監督は「やはり横浜スタジアムが似合う男。また大きな柱になってもらいたい」と期待を込めた。 外野と一塁での起用が想定される中、貪欲に定位置を奪い取る。「アメリカでの成績は満足できるものではなかった。『はい、ポジションどうぞ』という勝負の世界はない。全力で取りにいく」。既に神奈川・横須賀市の球団施設で始動。実戦復帰の時期については「未定」としつつ、2軍調整から1軍合流を目指す道筋を思い描いた。 「若くて魅力ある選手がそろっている。非常に楽しみなチーム。毎日試合の結果は見ていた。横浜スタジアムで再び野球ができることに興奮している」。古巣への愛と新たな決意をにじませた姿に、ファンの大歓声は鳴りやまなかった。(鈴木智紘)