ムクドリにお手上げ 福島市中心部に大群居座り 追い払うと果樹に被害
太田町のケヤキの木は県県北建設事務所と市環境課が管理しており、地元町内会と協議して解決方法を考えたいとしている。ただ、市の担当者は「ムクドリはカメムシを食べる習性もある。追い払った結果、別の被害が起きる恐れもある」と対策の難しさを語る。 ■夕方に市街地街路樹に戻る 野鳥の生態に詳しいNPO法人野鳥の会ふくしま副理事長の増渕翔太さん(33)によると、ムクドリは猛きん類などの外敵から身を守るため、秋から冬にかけて群れをつくる。日中は田畑で虫や植物の種子などの餌を探し、夕方に天敵の少ない市街地の街路樹に戻ってくる。 対処法について「木を伐採する方法もあるが、群れが別の場所に移動するだけで根本的な解決は難しい」と語る。その上で「拍子木や花火など、さまざまな追い払いを組み合わせて地道に取り組むほかない」との考えを示す。 ■郡山や若松でも被害 ムクドリによる被害は福島市以外でも起きている。郡山市の開成山公園や会津若松市の会津若松駅前にある商店街などでは、騒音やふん害が確認されている。会津若松市では音や光を発する装置を使った追い払いを試みたが、目立った効果は得られなかったという。ただ、両市とも11月ごろには群れが姿を消しており、福島市ほど被害は長期化していない。