どうする、どうなる?ヤクルトの連覇を左右する新ストッパー
ルーキは、バーネット、オンドルセクの路線を踏襲した195センチの長身選手で確かにストレートに角度があった。ただコントロールに問題があり、メジャー実績はわずか1勝4ホールドしかなく、昨年はメキシカンリーグでプレーしていた。 左腕のペレスは小気味のいいピッチングスタイルで、ブルペンでは伸びのあるストレートが目立った。この2年はメジャーで投げていないが、昨季の「プレミア12」にドミニカ代表として出場、対韓国戦で先発し6回を無失点に抑えている。2人のブルペンを視察した元中日のレジェンド、山本昌氏も、「2人ともに真っ直ぐが速かった。特に左のペレス。コントロールさえあれば通用するのではないか」という感想を持った。 新外国人の成否は、日本野球への対応力や姿勢がカギを握るが、真中監督も「新外国人のピッチャーは、3人とも真面目で取り組む姿勢がいい」と評価している。 またサプライズプランとしては、2012年のドラフト1位(東北福祉大、ヤマハ)で、昨季は先発として19試合に登板、5勝5敗の成績を残した石山のストッパー転向もあるという。元々、2年前には、後ろで起用されていた投手。適性としては十分だろう。石山の動向は、今後、先発陣の顔ぶれが、どう揃ってくるのか、新外国人2人が本当に使えるのか、などのチーム事情に左右される。 元千葉ロッテの里崎智也氏は、「新外国人は、まだ試運転段階で評価は難しい。現時点での検討材料が昨年までの結果しかないので、そうなると、オンドルセクを最後に持ってくるのがベストではないか。昨年のヤクルトが、優勝した最大の理由は、7、8、9回をロマン、オンドルセク、バーネットに任せる勝利のパターンを確立できたこと。今季も、そういう中継ぎ、抑えを再構築できるかどうかが、ヤクルトが連覇するための最大の条件になると思う」と言う。 ヤクルトは、昨季も開幕ギリギリまでオンドルセクか、バーネットか、とストッパーを決めきれなかったが、試行錯誤を繰り返しながら、勝利の方程式を構築している。真中監督、高津投手コーチのベンチワークが素晴らしいゆえに出来たこと。そう考えると、現時点で構想が固まらないのは当然といえば当然で、開幕までに、ヤクルトの首脳陣が、どんな決断を下すのかに注目が集まる。