中島佑気ジョセフ、男子400メートル連覇で初の五輪出場が濃厚に 「決勝進出を目指したい」/陸上
陸上・日本選手権最終日(30日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)今夏のパリ五輪代表選考会を兼ねて行われ、男子400メートルは中島佑気ジョセフ(22)=富士通=が45秒51で連覇を達成。パリ五輪の参加標準記録(45秒00)には届かなかったが、五輪ランキングでの初の五輪出場が有力となった。既に五輪参加標準記録を突破済みで2着に入った佐藤風雅(28)=ミズノ=も五輪出場が濃厚。日本記録保持者の佐藤拳太郎(29)=富士通=はコンディション不良のため棄権した。 雨の新潟で、大舞台へと続く快走を披露した。中島が息を整えながら、冷静に振り返った。 「天候が悪い中でタイムが落ちることは仕方ない。優勝できたことは評価できる」 スタートから徐々に加速。先頭に立って最後の直線に入ると、追い上げる佐藤風雅に競り勝ってフィニッシュした。 このオフは米・南カリフォルニア大を拠点に、2021年の東京五輪男子100メートルで銀メダルを獲得したフレッド・カーリー(米国)らと練習。「結果を出すことを第一に、他のことを犠牲にしていた。食事も毎日鶏むね肉でつまらないと思うが、ストイックにやっていた」。トップスプリンターの競技に対する姿勢に触れ、刺激を受けた。 技術も向上した。以前は足を流しつつも大きく動かすエネルギー消費の激しい走りだったが、「足を流さず、前で回す」ことに注力。「すごく楽に400メートルをまとめられるようになった」と成長を遂げた。 参加標準記録突破とはならなかったが、今大会の結果により五輪ランキングでの五輪出場を有力とした。個人種目で初挑戦だった昨年の世界選手権(ブダペスト)は準決勝敗退。パリ五輪では、1600メートルリレーでの活躍も期待される。「パリ(五輪)に出られたら、個人では去年達成できなかった決勝進出を目指したい。リレーでは表彰台に立てることを目標にしていきたい」と力を込めた。