ブルージェイズのベテラン右腕イミ・ガルシア（AP）

　スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」がブルージェイズのベテラン右腕イミ・ガルシア（33）の投球を絶賛している。今季8試合、8・2イニングに投げ、29人の打者に対し、2安打1四球、1失点、11奪三振、防御率1・04。ジョン・シュナイダー監督は、「イミは今、別次元にいる」と言う。 　直球の回転率も球速も上がり、平均97マイル、先週は99・8マイルをマークした。コントロールも良い。先発投手のクリス・バジットは、「今のメジャーリーグで、彼以上のブルペン投手はいない」と言い切る。ガルシアはメジャー10年目、通算防御率は3・55で、信頼できる中盤から後半のリリーバーだった。ただ23年は66イニングで防御率4・09といまひとつ。ピート・ウォーカー投手コーチは昨季の結果から奮起してくれたのではないかと言う。ただ本人は「オフもいつも通りの調整をしただけ。特定の理由はない。今まで長年続けてきた努力が実を結んだだけ」と笑っている。 　ガルシアは、リリーバーとしては異例の6つの球種を持っている。4シームは高めを狙い、右打者にはシンカーや新たに習得したスィーパーを使う。他カーブ、スライダー、チェンジアップだ。ガルシアはスライダーとスィーパーの使い分けが有効だと言う。「一つは下に、一つは横に動く。とても役に立っている」と言い、両方空振り率は30％を超えている。クローザーのジョーダン・ロマノとセットアッパーのエリク・スワンソンがケガで負傷者リストに入っていたため、13日のロッキーズ戦、15日のヤンキース戦は9回に投げてセーブをあげた。2人が戻ってきても重要な場面で使われ続けるだろう。 　圧巻は15日と16日のヤンキース戦。ファン・ソト、アーロン・ジャッジと2日連続で対戦し、完璧に抑えた。起用したシュナイダー監督は「一度抑えるのでも簡単ではないが、2日連続。相手も研究してくるのに比較的簡単にやって見せた」と大喜び。ガルシアはドミニカ出身で14年にドジャースでメジャーデビュー、前田健太投手とチームメートだった。これまで目立つ存在ではなかったが、10年目で初のオールスター選出もあるかもしれない。