河菜海運グループ、フェリーにバイオ燃料 内航GHG削減。さくら海運「第7からこと」
呉船主の河菜海運グループの内航フェリー運航会社、さくら海運(本社・広島県呉市)は9日、天応桟橋(呉市)―切串港(広島県江田島市)で運航する定期航路フェリー「第7からこと」(197総トン)でバイオ燃料混合の船舶燃料の使用を開始した。使用済み食用油を原料とするバイオ燃料の活用により、内航海運のGHG(温室効果ガス)削減に貢献する。 「呉市と江田島市を結ぶ旅客船航路の維持に努める企業として、CO2(二酸化炭素)削減に何かできないかと検討を重ねていた」 さくら海運に出資する河菜海運の河菜春文社長は今回のプロジェクトの背景をそう説明する。 その上で、「バイオ燃料の話を聞き、取り組みの一環として採用した。今後もCO2削減のため可能なことを模索していき、実行していく」と意気込みを語る。 河菜海運は今夏、さくら海運が手掛ける内航フェリー事業に参画。河菜海運が中古購入したフェリー「第7からこと」をさくら海運に裸貸船している。 今回の燃料供給は、山陽オイル(本社・広島市)グループで舶用燃料供給を手掛ける広島通産が担った。山陽オイルグループは自社保有船でバイオ混合燃料を1年以上使用している実績がある。 今回、採用したバイオ燃料はバイオ燃料開発・販売を行うレボインターナショナル(京都市)が使用済み食用油を原料に製造した「C―FUEL」。 山陽オイルグループ関係者は「お客さまのCO2削減の意識は高まっている。今後もお客さまの声に応えることで、さらなるCO2削減の取り組みを進めていく」と語る。
日本海事新聞社