少し重たい真夏のグリーン攻略法は、“強気なパット” ではなく“順回転パット”
連日猛暑が続くと、芝の保護のためグリーンが短く刈れない。川﨑春花が歴史的スコア(通算28アンダー)で優勝した「大東建託・いい部屋ネットレディス」がいい例だろう。プロはスコアを伸ばすが、アマチュアは芝が長い“夏の重たいグリーン”に対応しきれず、ショートしがち。2024年8月6日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、転がりのいいパットの打ち方を青山裕美プロに聞いて特集しているので「みんゴル」でもお届けしよう。
解説:青山裕美プロ 江連忠の一番弟子として ETGA東京校でレッスンを展開。諸見里しのぶや上田桃子、松森彩夏らに慕われる姉貴的存在。ムダがない効率のいいスウィング指導に定評がある。
“順回転パット”なら、タッチや距離感を失わない
夏にラウンドをすると、「グリーンが重いな」と感じることはないだろうか。夏場のグリーンが重い原因は、ここ数年の猛暑の影響が大きい。今や北海道でさえも夏場にはかなり気温が高くなってしまう。もはや日本は温帯ではなく“亜熱帯”になりつつあるとも言われている。これだけ暑い日に芝を短く刈り込むと、強い直射日光で根にダメージを与えてしまうため、夏場はある程度の長さまで刈高を上げて、芝を保護しているのだ。 でも、グリーンが重くてショートしてしまうのであれば、単純に強く打てばいいのではないだろうか? 実は、“強く打つ”ことにはデメリットもあるのだという。強く打ってしまうと、意図せずパンチが入ってしまうし、フォローが出にくくなるのだ。 ETGA東京校の青山裕美プロによると、「長いパットの場合、多くのアマチュアはインパクトで強めにパチンと打つと思いますが、強めにヒットしようとして体が突っ込んでしまうと、左に引っかけるミスも出ます。パンチが入ると、フェース面が安定せずにインパクトを迎えるのでダウンブロー気味にインパクトし、ハンドファーストが強くなってフェース面がかぶってガツンと当たってしまいます。するとボールが跳ね、逆に思ったほど転がらないというミスにもつながります。さらに何でもかんでも強めのパットで打ち続けることで、自分のいつもの距離感やフィーリング、つまり、自分の“タッチ”が損なわれてしまうので注意が必要なんです」。