ソフトバンクのドラ1村上 母校の神戸弘陵にクリスマスプレゼント ブルペンに屋根設置など
ソフトバンクのドラフト1位右腕・村上泰斗投手(17)が22日、契約金の一部を使って母校・神戸弘陵に恩返しする計画を明かした。この日、神戸市の同校で行われた野球教室に参加。ブルペンに屋根を設置するなど練習環境を整備したいと語った。“村上サンタ”からの粋なプレゼント。後輩思いの右腕はこれから挑むプロの世界で活躍し、模範的な投手になると思いを強くしていた。 気温5度。みぞれも降った北神戸で“村上サンタ”は「野球部に足りてないものというところで、金額を決めてその中でやってもらう感じです」と少しはにかみながら明かした。自身の契約金の一部を使って母校・神戸弘陵の練習環境を整備する。野球部グラウンドのマウンドの土を入れ替え、ブルペンに屋根を取り付けることを計画中。岡本博公監督によるとスピードガンは注文済みで「ありがたいことですよね」と教え子の気持ちに感謝した。 この日は学校で行われた野球教室にソフトバンクのユニホーム姿で参加。野球少年少女約120人とキャッチボールや鬼ごっこなどで触れ合った。最速153キロの直球とスライダーやフォークなどを操る右腕はブルペンで投球も披露。多彩な変化球で視線を独り占めにし、約1時間のサイン会も行った。 年が明けると新生活が始まる。新人合同自主トレを行う福岡県筑後市のファーム施設では先輩たちも体を動かしている。話を聞いてみたい選手には、23年のドラフト1位で大阪桐蔭から入団した前田悠の名を挙げた。関西の高校から同じドラフト1位で指名された共通点がある。球団は村上に前田悠と同じ「特別育成プログラム」を施す方針でいる。経験談を聞くなど、何かと頼りになる先輩になりそうで「野球に対する行動というか、気持ちの部分を聞いてみたい。まずは自分でしっかり観察していけたらと思います」と目を輝かせた。 きょう23日には神戸市内で開催される激励会に出席する。その後は故郷の兵庫県猪名川町に戻り、さまざまなイベントに引っ張りだこだ。多忙なスケジュールが控えるが、「福岡に行った時に鍛えられるように」とトレーニングもしっかりと積んでいく。 「(後輩や子供たちの)見本になれればと思った。将来的にはもっと大きい存在になって、ここに帰ってこられたら」。母校で決意を新たにし、いよいよプロの世界へと飛び込む。 (杉浦 友樹) H…村上は18日に入団が発表された上沢からも投手のノウハウを聞きたいと希望した。上沢はメジャー挑戦を経て日本球界に復帰。23年まで在籍した日本ハムで通算70勝を挙げるなど経験豊富なだけに、「練習の意識について将来的に意見交換ができたら」と話した。 ≪球界“サンタ”のプレゼントあれこれ≫ ☆マイクロバス 04年に日本ハム・新庄が夏の甲子園出場を決めた母校・西日本短大付(福岡)野球部に約500万円のマイクロバス1台を贈る。 ☆ジェットヒーター 14年にソフトバンクからドラフト2位指名を受けた栗原が、母校の春江工(福井)の野球部に寄贈した。冬場の練習がつらかったことから暖房器具を選ぶ。 ☆打撃マシン 20年にエンゼルスの大谷(現ドジャース)が母校・花巻東(岩手)の女子硬式野球部に寄贈。 ☆ナイター照明施設 23年にDeNAの小園とロッテの松川が母校・市和歌山に寄付した計800万円をもとに野球部グラウンドに設置される。