「コナン」「ハイキュー!」「キングダム」24年大ヒット連発!東宝が初の興収900億円超え…25年も注目作公開
映画配給大手の東宝がこのほど、都内でラインアップ発表会を行い、2024年に同社が配給した作品の合計興行収入が史上初の年間900億円を達成したと発表した。25年も注目作品の公開が相次ぐ予定だ。 東宝は24年、全29作品を配給し、158億円の「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」を筆頭に19作品が10億円超を記録。251・7億円の「君の名は。」、82・5億円の「シン・ゴジラ」が映画界を席巻した16年の857億円を超えて歴代最高となった。取締役専務執行役員の市川南氏(58)は「正直、16年を超えることがあるだろうかと思っていましたが、初の900億円台に到達しました」と報告した。 50億円も「名探偵コナン―」を筆頭に「劇場版ハイキュー!ゴミ捨て場の決戦」「キングダム大将軍の帰還」「劇場版SPY×FAMILY CODE:White」「ラストマイル」「変な家」の6作品が突破。執行役員の吉田充孝氏(53)は「6作品を合わせると527億円。当社の900億円で考えると58%ですし、2000億円を見込んでいる映画業界全体でも25%を占める。いかに6作品が突出して業界全体をけん引したか」と評価した。 「名探偵コナン―」はシリーズ27作目にして150億円の大台に初めて足を踏み入れ、歴代最高記録を更新。市川氏は「好調の要因は作品の内容。マンネリ化に陥るのではなく、常に新しいチャレンジを続けている。そしてファンの世代が広がってきた。コナンを子供の頃に見てきた方々が親となって、子供と一緒に見に来る。卒業するのではなく、ファンを継続する方が増えている」と分析した。 同社は900億円超という好成績を収めたが、映画業界全体では23年の約2200億円から一歩後退の2000億円程度とみられている。その要因として洋画作品のラインアップが少なかったことが考えられ、吉田氏は「ハリウッドのストライキの影響があるのではないか」と推測した。 25年について市川氏は「実写、アニメともに充実したラインアップをお届けできる」と話している。アニメは人気シリーズの「名探偵コナン」「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」のほか、20年に公開され、歴代最高の興収404・3億円をたたき出した「鬼滅の刃 無限列車編」に続く「鬼滅の刃 無限城編」、細田守監督(57)の4年ぶりの新作「果てしなきスカーレット」などの公開を予定している。 実写でもテレビ局が製作する「劇映画 孤独のグルメ」「アンダーニンジャ」「トリリオンゲーム」「TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」のヒットが見込まれる。他にも、松たか子主演の「ファーストキス 1STKISS」、吉沢亮主演の「国宝」、堺雅人主演の「平場の月」、福山雅治主演の「ブラック・ショーマン」などが注目される。
報知新聞社