日銀会合控え巨額の投資膨らむ-ブラックロックとマンは株高進行想定
(ブルームバーグ): 日本株をもっと買おう、日本国債のショートを増やそう、円を買い続けよう-。マイナス金利という実験に終止符が打たれるかもしれない日本銀行が18、19日両日開く金融政策決定会合を前に、大手運用会社からこうした声が頻繁に聞かれる。
19日の政策発表を控え、巨額の投資が積み上がっている。日経平均株価は過去最高値付近で推移し、国債利回りは上昇、円安は輸出企業を後押ししている。
政策金利の引き上げがこのダイナミックな動きをどのように変えるのか、そして日銀が、市場全体に展開されている他の手段を抑制するのかどうかが、投資家の関心の的となっている。
米ブラックロックや英マン・グループは、経済の活力が戻れば株価はさらに上昇する余地があるとみている。
RBCブルーベイ・アセット・マネジメントは10年物日本国債のショートを最大のマクロ戦略としており、アバディーンとロベコは円に強気のポジションを組んでいる。
ブラックロック・ジャパンの番場悠アルファ運用本部長は、利上げは緩やかなものになり緩和的な金融環境が維持されるため、株価が下支えされると予想している。成長の原動力は多様で幅広く持続性があり、これらが完全に織り込み済みというには程遠いとの見方を示した。
金融政策の見通しは、過去1年に巨額の資金が流入した後の資本フローを決定付けるだろう。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は、日銀の政策金利が現在のマイナス0.1%から、年後半にはプラス0.25%へ引き上げられるとの可能性を示している。
株式ブーム
日経平均株価の上昇は、今月初めに史上初めて4万円を突破して以来、勢いを失っている。だが、最近の一服は、投資意欲をそぐものではなく、投資家を銘柄選びに集中させるようになっている。
JPモルガン・アセット・マネジメントの坂井美智子ポートフォリオマネジャーは、金融セクターでは保険会社の方が「リスク・リワードが高いと思っている。ガバナンス(企業統治)の観点でもいい動きになっている」ので多く保有していると語った。