リユース市場活況も「大黒屋」ひとり負けの謎…インバウンドの「爆買い」で急成長も今や“崖っぷち”3つのワケ
リユース市場が活況を呈している。2023年の市場規模は前年比7.8%増の3.1兆円(リユース経済新聞「リユース業界の市場規模推計2024(2023年版)」)。ブックオフやセカンドストリート、トレジャーファクトリー、コメ兵が市場の伸長をバネにして増収を重ねる一方、老舗の大黒屋が大苦戦している。その内幕を見ると、綱渡りの経営とも呼ぶべき脆弱さ浮かび上がる。 【画像】「爆買い」する銀座の中国人観光客
リユース市場が活況だ
ブックオフグループホールディングスは2024年6-8月が前年同期間比8.1%の増収、トレジャー・ファクトリーは2024年3-8月が23.7%の増収だった。 ゲオホールディングスは2010年にセカンドストリートを完全子会社化しているが、ゲオの2024年4-9月におけるリユースが13.4%の増収である。 好調のコメ兵ホールディングスは2024年4-9月が3割を超える増収だった。 このように中古品を手がける主要な企業が1~3割の増収となるなか、大黒屋は2024年4-9月が9.3%の減収となっている。 今期通期の売上高は4.7%の増収を計画しているものの、上半期は減収での折り返しだ。 前期は上半期時点の通期売上計画が121億円で、進捗率は45.3%だった。この期は通期実績が計画をおよそ20億円下回る109億円となり、計画下振れでの着地となっている。 また増収を計画している今期も通期売上高に対する上半期の進捗率は43.6%。 リユース市場は拡大を続けているにも関わらず、前期よりも遅れており、今期の増収計画に暗雲が立ち込めているのだ。 ブランド品に強みを持つ点においては、大黒屋はコメ兵に近い。なぜ、業績にこれだけの差がついているのだろうか。 大黒屋を業績不振に追い込んだ要因は大きく3つある。 1つは中国人を主要なターゲットとする狙いに狂いが生じたこと。 もう1つは十分な在庫がないこと。 そして資金繰りに窮して成長に必要な買い取りを行えなくなったことだ。