日本は何をしているのか、円急落でも動かない当局にトレーダーら疑問
それでも、円相場が26日のように他の資産をアンダーパフォームし続ければ、介入のリスクは大幅に高まるだろうと、ゴールドマンのストラテジストらは付け加えた。円相場は同日1.7%下げ、1ドル=158円30銭円前後まで下落した。
円安は日本にとって必ずしも悪いことではないと、ドイツ銀行の為替調査世界責任者、ジョージ・サラベロス氏は言う。円安はインフレの問題を引き起こしておらず、日本の投資家が保有する海外資産の価値を押し上げていると、同氏は電子メールで配布したリポートで指摘した。
26日の日銀政策決定後の記者会見で、植田和男総裁も円安がインフレに与える影響を深刻視はせず、為替レートが需要を押し上げることで経済に利益をもたらしているとの考えを示した。
サラベロス氏は26日「日本は穏やかな円安政策をとっている。市場が無秩序な動きになれば介入の可能性を排除できないが、植田総裁が今日の記者会見で円安の重要性を軽く扱ったことと、利上げの緊急性はないと示唆したことは、注目に値する」と述べた。
トレーディング戦略
トレーダーらは、日本の介入が成功すると考えていないようだ。2006年までさかのぼる米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、日銀会合を前にヘッジファンドと資産運用会社の円ショートポジションの合計は過去最大となっていた。一方で、先週のインプライドボラティリティーの急上昇に見られるように、懸念は高まっている。
現在の水準で円をショートするのはリスクが高いが、円に弱気の投機筋は、当局が動いたら今より低い水準でドルを買おうと計画している可能性が高いと、ペッパーストーンのウェストン氏は言う。
「ヘッジファンドが介入の動きを捉えるために、スポットから400-500ピップス下の指し値注文でアルゴリズムを設定することは想像できる。ドルが急落してもすぐに戻ると考えているからだ」と同氏は述べた。
関連記事
原題:Yen Watchers Ask Where Is Japan as Currency Losses Accelerate(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Cormac Mullen