愛知県芸術劇場で新芸術監督による初のプロデュース公演 新作ダンス4作品
「愛知県芸術劇場×Dance Base Yokohama パフォーミングアーツ・セレクション2024~間の時間~」が11月30日・12月1日、愛知県芸術劇場(名古屋市東区東桜1)小ホールで上演される。(サカエ経済新聞) 4月に同劇場の芸術監督に就任した唐津絵理さんの、就任後初となる新作プロデュース公演。唐津さんがディレクターを務める横浜のダンスハウス「Dance Base Yokohama」と連携して創作した4作品を、A、B2つのプログラムで上演する。Aプログラムは、岡田利規×酒井はな「ジゼルのあらすじ」、島地保武「Dance for Pleasure」。Bプログラムは、小暮香帆×ハラサオリ「ポスト・ゴースト」、鈴木竜×岡本優「TAMA」。 「ジゼルのあらすじ」は、2021年に愛知県芸術劇場で「ダンスの系譜学」を初演した岡田さんと酒井さんが取り組む新作。ロマンチックバレエの古典「ジゼル」のあらすじを、バレエ系ユーチューバー「はな」が舞台上で紹介する。「Dance for Pleasure」は、分野を横断して、さまざまなアーティストと協働する島地さんが、11人のダンサーと共に創作した群舞。純粋な「ダンスの喜び」を追求し、確かな技術で表現する。 「ポスト・ゴースト」は、歌舞伎における異性装や幽霊といった性表現を、批評的視点で分析して再解釈。女性ダンサー2人がダンスで表現する。「TAMA」は、鈴木さんが幼少期から親しんできた「けん玉」を題材にした異色作。けん玉を操る時の身体の使い方、身体性を解体し、舞踊として再構築する。 唐津さんは4つの作品について「アーティストには『ダンスの歴史』を意識してほしいとお願いした。それぞれのアプローチでダンスの系譜を探求し、身体表現の新たな可能性に挑んだタイプのまったく違う4作品になった」と話す。 芸術監督となって初めて迎えるプロデュース公演について「これまでも、企画した公演ではどのような人に来てもらえたか、どのように感じてもらえたか等、観客の皆さんの反応を大切にしてきた。今はさらに、もっと多くの人に劇場という場所に来てもらうためには、どうすればいいかを意識している」と話す。「ダンスは身体表現で言語を必要としないし、国籍年齢など全てを超えていくものだが、現実的にはハードルが高いと思われている。稽古を見に来てもらうなど、少しでも劇場を開いていきたい。いろいろな人が劇場にアクセスしやすい環境や状況を作り、クオリティーの高い芸術に触れる機会を増やしたい」と意気込む。 関連企画として、11月20日~23日、稽古の様子を一般公開するオープンスタジオを開催(予約不要・入退室自由)。11月22日には、愛知芸術文化センター フォーラムⅡ(地下2階マルチビジョン前)で「芸術監督クロストーク 岡田利規×唐津絵理愛知県芸術劇場 ラーニングプログラム」を開く(入場無料・申し込み不要)。24日には、同地下2階大リハーサル室で、岡田利規さんのワークショップ「想像力を使ってパフォーマンスする方法、そのひとつの例」を開催する(定員20人、料金2,000円)。 唐津さんは「いろいろな作品に触れることで、芸術の持つ多面性や創造の可能性を感じてもらえる公演。『間の時間』というタイトルに込めたのは、忙しい現代社会において時間を見つけて、学校や社会で求められている役割や日常から解き放たれて、自分自身になれる時間の大切さ。劇場で、自分と作品が向き合うことで、作品を通して自らと対話する時間を過ごしてほしい」と来場を呼びかける。 開演は30日=14時(A)、17時(B)、12月1日=13時(A)、16時(B)。料金は1日通し券=7,000円(25歳以下は4,000円)、A・Bプログラム=各4,000円(25歳以下は各2,000円)。3歳以下入場不可。
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