再選の斎藤氏「仕事通じ信頼関係もう一度つくる」「SNS、投票に結び付いた」
17日投開票の兵庫県知事選で再選を決めた前知事の斎藤元彦氏(47)が同日深夜、報道各社の取材に応じ、自らのパワハラ疑惑などの告発文書を巡り関係の再構築が求められる県職員や県議会について「仕事を通じて人間関係や信頼関係をもう一度つくる」と述べた。選挙中も「いい仕事、いい事業をやろうというのは同じ思い。ワンチームでいい県政を再び前に進める」と語っており、有言実行となるかが注目される。 【写真】当選確実の報を受け、支持者らに囲まれながら選挙事務所に現れた斎藤元彦氏 今回の選挙で斎藤氏は前尼崎市長の稲村和美氏(52)ら新人6人を破り、2期目の当選を果たした。111万3911票を獲得し、2021年の前回知事選から約25万5千票上積みした。 斎藤氏は文書問題の対応を巡り、県議会から全会一致で不信任が決議され、今年9月に失職。交流サイト(SNS)を駆使して街頭演説に多くの聴衆を集め、選挙戦を制した。斎藤氏は「リアルな世界では厳しい状況だったが、SNSでは応援が広がってきた。街頭活動の告知はSNSの力が大きく、草の根で政策や動画を発信してもらったことも、投票行動に一定結び付いたと思う」と分析した。 選挙戦は政党や組織の支援がなく、街頭演説で投票を繰り返し呼びかけた。投票率は55・65%と前回から15ポイント近く上昇。斎藤氏は「若い世代の政治参画が進むターニングポイントになった」と振り返った。 また、同じく立候補した政治団体代表の立花孝志氏(57)が選挙活動で斎藤氏を援護射撃した影響に対しては「立花さんの立場で行動されたと思うが連携しておらず、自分の選挙戦で必死だった」と話した。 19日に2期目がスタートするが、「来年度予算に向けた議論や準備を加速させる」と強調。1期目で設置した新県政推進室のような新たな組織を立ち上げる考えは否定し、「3年間仕事をしてきた。今の体制でしっかりやっていく」と述べた。(知事選取材班)