「野放しは異常」外国人パー券購入の〝抜け穴〟許すな! 派閥裏金事件受け政治資金規正法改正、自公で協議開始も抜け落ちた焦点
自民党派閥の裏金事件を受け、政治資金規正法改正を議論する、自民、公明両党の実務者協議が16日、始まった。岸田文雄首相(党総裁)は、①議員本人を含めた厳罰化②収入の第三者による監査徹底③デジタル化による政治資金の透明性向上―の検討を指示している。ただ、重要な焦点が抜け落ちている。外国や外国勢力の浸透や介入を防ぐ、「外国人や外国法人などによるパーティー券購入禁止」である。日本を取り巻く外交・安全保障環境が悪化するなか、日本の平和と安全、国益を守り抜くためにも、「ザル法」と揶揄(やゆ)される同法を厳格化できるのか。16日告示された衆院3補選(28日投開票)の争点にすべきだ。 【図で解説】自民党党紀員会の処分一覧 「政治の信頼回復へ、政治資金規正法改正などの取り組みを訴えなければならない」 岸田首相は衆院3補選(東京15区、島根1区、長崎3区)が告示された16日、官邸で記者団にこう強調した。 自民、公明両党の実務者協議が始まった。岸田首相は今国会中の改正を目指しており、早期に与党案を取りまとめることを確認した。 ある自民党議員は「動きが遅い。本気で『厳罰化』する気があるのか疑問だ」と焦りを見せた。 公明党はすでに、政治資金収支報告書の不記載(裏金化)など、虚偽記載があれば、会計責任者にとどまらず、国会議員も連帯責任を負う「連座制」の導入を柱とした案をまとめたが、自民党内には慎重論もある。野党各党も、連座制導入や企業団体献金やパーティーの制限強化、政策活動費廃止などを含めた改正案を打ち出している。 こうしたなか、岸田政権が〝二の足〟を踏んでいるように見えるのが、「外国人によるパーティー券購入禁止」の明文化だ。 政治資金規正法では「外国人献金の受け取り禁止」を明記している(第22条の5)。外国勢力が、わが国の政治や選挙結果に影響を与えて、国益を害するのを防ぐためで、外国人や外国法人から寄付の受け取りはできない。 国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一名誉教授は「外国人献金や資金流入の法規制は、安全保障やスパイ防止の観点から、極めて当然の対応で、あらゆる手段により措置を講じるのが国際常識だ」と解説する。