米大統領選、為替は東京で反応か-結果遅延リスク誇張とゴールドマン
(ブルームバーグ): ゴールドマン・サックス・グループは、11月5日に投開票が行われる米大統領選について、明確な勝者がすぐに判明しないことにより、金融市場が不確実な状況に陥るリスクをグローバル投資家は誇張し過ぎていると認識を明らかにした。
ゴールドマン・サックス・インターナショナルのマネジングディレクター、マイケル・カーヒル氏やエコノミストのレクスィー・カンター氏は「テールリスクの可能性は認識しているが、結果の遅れに伴い、想定される選挙結果を金融市場が選挙当日の夜ないし翌日早朝に反映できない確率を市場参加者は幾分過大評価しているようだ」と29日のリポートで指摘した。
ゴールドマンの見解を裏付けるさまざまな要因が存在する。まず州レベルおよび全米レベルの世論調査結果が激しい接戦となり、選挙人争奪戦でより大差での勝利の可能性が見えなくなった。さらに新型コロナ禍以後、各州の投票用紙の処理プロセスが変更され、2020年と比べ開票が迅速化されるはずだとストラテジストは分析する。
ゴールドマンが過去2回の選挙を参考にしたところでは、最初の開票状況が明らかになり始める東京市場の取引時間中に為替市場の変動の大部分が発生した。早い段階の結果が伝えられる際、為替レートを動かす主な要因になるのは、重要なカウンティレベルの結果公表という。
「16年も20年も為替変動の大部分は、そうした結果が伝えられた最初の数時間で起きた。ロンドン市場の取引時間帯にはボラティリティーはなお幾分高かったが、選挙翌日のニューヨーク時間午後にはおおむね『通常』の状態に戻った」とストラテジストらは説明した。
原題:Goldman Says Traders Too Worried About Delays to US Vote Result(抜粋)
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Carter Johnson