トム・クルーズが年7億円の養育費を払ってきた娘と疎遠な理由
しかし、トムは、その面会権をほとんど行使しないできた。そのことについては、トムがサイエントロジー信者でないスリと関係を築くことを教会が許さないのだとの説が聞かれる。 それにしても、こんな顛末になったのはトムにとってなんとも皮肉である。トムは、同じことをニコールに対してやっているのだ。 トムから離婚を言い渡されたのは、ニコールにとって青天の霹靂だった。トムは「こうなることは彼女にもわかっていたはず」と述べているが、ニコールは、その少し前にトムの子供を妊娠して流産していたという、それまで誰も知らなかった事実を明かしている。それが本当ならば、夫婦関係はまだあったということである。
離婚後、サイエントロジーの信者である養子のイザベラとコナーは、ニコールと疎遠になった。それを知っていたから、ケイティは、娘との関係を断たれるのが自分ではなくトムになるよう、先に動いたのだ。 ■娘は自らの意思でトムに会うこともできるように スリが18歳になったことで、トムは、毎月40万ドル、日本円に換算すると年間で7億円超の養育費を払う必要がなくなった。それに、大人になった彼女が自分で父に会いたいと思えば、自由に会うこともできる。
成長した彼女の顔は、ますます両方の親に似てきた。まだ若い彼女には、これからいろいろな人生の節目があるだろう。それらの場のどこかで、血を分けた両親が揃うことはあるのか。それは、誰にもわからない。だが、もしそれがかなわなかったにしても、世界一有名な映画スターは、自分の娘の幸せを常に心の中で願い続けているに違いない。
猿渡 由紀 :L.A.在住映画ジャーナリスト