北陸新幹線ルート選定先送り、京都知事は「府民の理解不可欠」
北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪延伸を巡り、与党整備委員会が20日、詳細ルートの選定を年明け以降に先送りすると決めたことを受け、京都府の西脇隆俊知事は同日の記者会見で「府民の理解や関係市町の協力が不可欠だ。そういう観点に立って国には対応してもらいたい」と述べた。 【地図でみる】国交省が示した北陸新幹線の詳細ルート案 与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームはこれまで、国土交通省が示した新たな京都駅の位置などを記した3つのルート案について、年内に1案を選定するとしていた。 一方、府酒造組合連合会などから、延伸について、酒の品質を大きく左右する地下水に影響を及ぼさないルートを求めるなどとする声が上がっていた。 この日の会見で西脇知事はルート選定の先送りについて「慎重な調査と丁寧な地元説明に努めていただくことが必要というスタンスに変更はない」と述べ、地下水の水量と水質への影響▽建設発生土の処分地確保と運搬▽駅部工事期間中の交通渋滞―など、府が懸念する6つの課題について引き続き説明を求める考えを示した。 選定の先送りにより、目標としてきた来年度中の着工は困難になった。西脇知事は「東海道新幹線の代替路線としての役割を果たす意義はあると思っている。そのためにもしっかりとした検討をしてほしい」と強調した。(入沢亮輔)