覆いかぶさって守った生後9日の我が子…赤ちゃんの防災どうする? “ミルク”に“おむつ”に…能登半島地震から学ぶ災害時の対処法
■物が不足する災害時…「まずは母乳を優先」乳児の栄養どうする? 赤ちゃんにとって必要な物が足りない状態での避難生活。専門家は乳児の栄養について、まずは免疫が含まれる母乳を優先して考えてほしいと話します。 県立中央病院総合母子医療センター・上野康尚医師「出るのであれば母乳を最優先で考えていただきたいなと思います。一時的に出なくなることは災害などのストレスの時に頻繁にあるようですが、それで授乳をやめてしまうと本当に分泌量が少なくなってしまう。授乳がスキンシップにもなるので、精神的に安心できるという側面もありますから」 粉ミルクの場合、細菌を死滅させるため必ず70度以上のお湯で作ることや、哺乳瓶の口を清潔にすることが必要です。どうしてもミルクがない場合、脱水症状を防ぐため水や果汁のようなものでも与えたほうがいいといいます。 ■水がない!入浴できない!…医師「まずお尻周りを清潔に」 さらに、入浴ができない場合でもお尻周りの清潔を保つことが重要と指摘します。 県立中央病院総合母子医療センター・上野康尚医師「胃腸炎を含む感染症があるので、入浴とかは十分にできないと思うんですが、まずおしりまわりを清潔にしてそこだけ少ない水分使って洗ってあげるとかそういう工夫は必要」 言葉が話せず自分で不調を訴えられない赤ちゃんに対して、災害時、親や周囲の大人はどんなことに注意するべきなのでしょうか。 県立中央病院総合母子医療センター・上野康尚医師「おしっこの量とかうんちの量、つまりオムツを何回かえるかみたいなことで赤ちゃんの水分や食事が足りているということが推測できるので、1日6回くらい十分な尿便をしていて交換ができれば大きな心配はない。夜泣きとか不機嫌とか癇癪とか、災害をお子様が自分なりに乗り越えようとする一時的な反応であることが多いので、できるだけ抱っこしてあげるとか普段以上にやさしくしてあげることが大事」 ミルクやオムツの調達など家族や親戚のサポートを受け、なんとか1か月間能登町での避難生活を乗り越えることができたという松井さんは、朔玖くんが大きくなったら伝えたい思いがあります。 松井彩音さん「あれだけひどい被害の中で生き残れた。あなたが今こうやって生きていられるのは、家族とかまわりの協力があったからこそやから、命大事にしてほしいなっていうのは伝えたいですね」