【ONE PIECE考察】イム様、ネフェルタリ家、ベガパンク……2023年の注目ポイントをおさらい
※本記事は本誌最新話の内容に触れる部分があります。 新たなエピソードに突入し、新登場人物や衝撃の物語も数多く描かれた、2023年の『ONE PIECE』。アツいバトルはもちろん驚きの新情報が明かされるシーンもあり、読者を大いに盛り上げた。 【写真】日本人形の老舗が作った『ONE PIECE』フィギュアが凄すぎる そこで本記事では2023年『ONE PIECE』の新情報や伏線回収、注目シーンについて、ワンピース研究家の神木健児氏と共におさらいしていく。 「2023年は例年と比べて、作品全体の縦軸に関する新情報が多く明かされた年だったような気がします。特に空白の100年に関して、多くのことが描かれましたよね。作中の最重要人物と言ってもいいイム様についても、深掘りされました。ネロナ・イムの名前や、800年前から生き続けているという事実は、読者にも衝撃を与えたでしょう。それに続いてネフェルタリ・リリィの登場もあり、ネフェルタリ家がDの一族であるのにはめちゃくちゃびっくりしました。アラバスタ編は、もう約20年前のエピソードです。そこのエピソードが、さらに深掘りされていくのが本当にすごいですよね。ネフェルタリ家がDの一族だと知ると、ルフィはアラバスタを救うべくして救ったんだなと感じます。また長年の謎であったベガパンクも、初めて今年ガッツリと登場しました。彼の登場は非常に大きくて、博識なベガパンクが明かしてくれた新情報も多かったです。悪魔の実が海に嫌われる理由なども教えてくれましたし、まさに最終章のキーマンに相応しい人物だと思いました」 現在進行中のストーリーでは、多くの伏線が回収されている真っ最中であると神木氏は続ける。 「伏線でいうと、現在本誌で進行中のくまの過去編でも膨大な量が回収されていますよね。くまの過去が描かれながら世界の重要ポイントとも繋がっているエピソードで、ゴッドバレー事件やフィガーランド家についても少しずつ明かされています。ゴッドバレー事件は天竜人の残忍さがわかる事件で、フィガーランド家のガーリングは相当非情、手練れであるようです。2023年の『ONE PIECE』は、各話が違うエピソードと繋がっていると思います。ニカが覚醒したときは、空島編を読み返した人が多くいました。そしてゴッドバレー事件について描かれたときはスリラーバーク編を、くまの過去が明かされたときはシャボンディ諸島編を読み返したくなりました。違うエピソードとの繋がりを感じるのは、物語がどんどん進んでいるんだなと思いますし、興味深いですよね」 注目の人物として神木氏は、物語の初期から『ONE PIECE』を盛り上げている2人の名前を挙げる。 「コビーの成長も、ファンとしてはめちゃくちゃアツかったです。物語が進んでいくとどんどん悪魔の実でのバトルが激しくなって行きますけど、そうじゃないんだと。コビーをみているとやっぱり重要なのは悪魔の実だけではないと思わせてくれますし、実直な努力であそこまで成長できるというのは心にきます。彼は初期の初期に登場したキャラなので、本当に感動しました。読者的には大事件ですよね。また初期に登場したキャラといえば、バギーが海賊王になりたいと口にするシーンも燃えました。隣にいたシャンクスが凄すぎるだけで、やっぱりバギーにも野心はあった。このシーンはバギーらしく泣きっ面で、カッコよかったです」 『ONE PIECE』といえば、もちろん手に汗握るバトルも欠かせない。 「ワノ国編終了後は、ついにエルバフも描かれました。そこにシャンクスがいるのも、びっくりしましたね。尾田先生は2023年の『ONE PIECE』について、『あいつとあいつが戦うの!?』みたいな話になると語っていました。たしかに「シャンクスvsキッド」「ガープvsクザン」「ローvs黒ひげ」「ルフィvsルッチ」と重要すぎる戦いのオンパレードでしたね。1つや2つではなかったことにびっくりしながら、各バトルを夢中で楽しみました。2024年も重要なバトルがあると思いますし、新情報が明かされるのもとても楽しみです」 世界の謎に関する重要な新情報から、初期キャラクターの歴史的な活躍まで描かれた2023年の『ONE PIECE』。2024年にも描かれるであろう衝撃事実を、読者として楽しみにしたい。
青木圭介