大阪・ミナミ唯一のお茶屋 ── 花街文化を発信
全盛期の船場の旦那衆は遊び方がケタはずれ
そんな中、恵さんはお茶屋や芸妓についてなど花街文化を分かりやすく知ってもらおうと、2011年5月から「お茶屋サロン」を始めた。今や人気の体験型講座となっており、開催は毎月第2土曜の13時~15時。参加費は3,000円で、お茶とお菓子が付く。定員は先着20人(最少催行人員4人)。 ところで、全盛期の船場の旦那衆は、お茶屋を単なる遊びの場としてではなく、情報交換の場、社交の場としても活用していたそうだが、その遊び方はケタはずれで、そんじょそこらの宴席とはまるでスケールが違っていた。「お座敷に土を持ち込み、木を植えてマッタケを用意してマッタケ狩りをしたこともあったようです。畳をはがし、こんにゃくを敷き詰めて、再び畳を戻し、芸妓たちを呼んで『地震や、地震や』と騒いだり、『洋行ごっこ』と言って、お座敷で大宴会をして道頓堀川から船で送り出し、再び船で帰ってくるという、遊びもありました」 そんな豪快な遊びは今では考えられないが、当時の話を聞くだけでも興味深く、その酔狂ぶりは驚くばかり。踊りや三味線、さらには「こんぴらふねふね」といった伝統的な芸者遊びも教えてくれるという。 常連客だけでなく、予約をすれば、いちげん客もOKとなっている。気分一新、新年らしい宴会を企画してみるのもいいのでは? (文責/フリーライター・北代靖典)