NPBがコリジョンに“金本ケース”の導入を検討!
またキャンプ、オープン戦中のオリエーテンションで確認されていた「明らかなアウトのタイミングではコリジョンルールを適用しない」という部分について、阪神は、意見書に「今回は明らかなアウトのタイミングだったのではないか」と疑問を記した。 その点についても、「明らかなアウトのタイミングとは、基本的にミット、グローブを捕球後、動かさずアウトにすること。それぞれ見方が違うが、今回のは明らかなアウトのタイミングではなかった」と返答したという。確かに、これについては、原口は捕球後、ミットを体ごと前につきだしているため、「ミットを動かさない」というガイドラインにはあてはまっていない。 またコリジョンルールを適用した場合の場内でのマイクによる説明が不十分で、現場だけでなくファンからも不満が続出しているが、友寄審長は、「場内放送に関してのご意見ももらっている、今後は、細かく説明するのか、今まででいいのか。これも持って帰って検討したい」と、検討課題であることを明らかにした。 約50分間にわたって説明、意見交換を行った金本監督は「持ち帰ってもらった。あれが本当によかったのか、だめなのか、の回答をもらわないと、また同じプレーでコリジョンをとられたが、こっちはたまらない。原口のプレーは間違いではなかったと思っている」と、機構側の結論を聞くまで納得いかない様子だった。 はからずも、今回、阪神が泣き寝入りせずに意見書を提出したことによって、機構と審判部の準備不足をさらけだすような事態になった。「今回のような場合の判断基準が、変わるか、変わらないかもわからないが、時間をかけることなく早く対応したい。決めた判断を全審判で共有したい」と、杵渕統括は語ったが、その具体的な時期は示されなかった。 結論を急がねば、今日も、セ、パで6試合のゲームが行われるのである。また“金本ケース”を認めるか、認めないかで、捕手の準備や対応の仕方も変わってくる。TG戦では、判定の覆った1点がゲームの勝敗の流れさせ変えてしまったのだ。決して大げさではなく、このままでは、まともに野球が進行できなくなる事態を、機構側は、もっと深刻に受け止めなければならないだろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)