三森すずこ、「ブルー きみは大丈夫」で空想の友達思い出す「涙が止まらなくなってしまいました」
12歳の少女と空想の友達の心の交流を描く映画「ブルー きみは大丈夫」が、全国ロードショー中だ。 【写真を見る】映画「ブルー きみは大丈夫」でブロッサムの声を演じる三森すずこ 幼い頃に母親を亡くした少女ビー(声:稲垣来泉)は、祖母の家で、"もふもふ"の不思議な生き物ブルー(声:宮田俊哉)と出会う。ブルーは、子供が作り出した空想の友達で、大人になると忘れ去られてしまう存在。子供にしか見えず、他にもたくさんの仲間が存在するという。ビーは、大人だけど空想の友達が見えるカル(声:加瀬康之)と共に、ブルーの新しいパートナーを探す旅に出る。 今回、バレエが得意な空想の友達・ブロッサムの声を演じた三森すずこにインタビューを実施。作品のことはもちろん、彼女もいたという空想の友達についても聞いた。 ――作品をご覧になっての率直な感想を教えてください 「自分とブロッサムに共通する部分があって、観終わったあと『この作品に出会えてよかったな』と思いました」 ――共通する部分とはどんなところなんですか? 「あるキャラクターが、ブロッサムを空想の友達だと思い出すシーンがあるんですけど、私も子供のころに空想の友達がいて、『あ、いた!』と思い出したんです。忘れてしまっていた空想の友達が、この作品を私のもとに届けてくれたのかな、思い出してほしかったのかな、と思ったら、涙が止まらなくなってしまいましたね」 ――三森さんのように昔のことを思い出す方が多い作品だと思います 「そうですね。今はもう大人になって忘れちゃったけど、この作品を観て、当時のことを思い出せたとしたら...すごく素敵なことだと思います」 ――三森さんの空想の友達はどんな子だったんですか? 「1人は日本人の女の子で、その子のことは覚えていました。でも、あともう1人。じつはブロッサムと同じバレリーナの子がいたんです。その子のことはすっかり忘れていて。作品を観るなかで『そいうえば、毎日その子の絵を描いていたな』と思い出して、感動しましたね」 ――三森さんが演じたブロッサムについては、どんなキャラクターだと思いましたか? 「ブルーのことを気遣ってあげたり、協力して空想の友達を探すお手伝いをしたり、お姉さん的ポジションなのかなと思います。割と輪の中心にいて、頼れる感じがしますよね」 ――ブロッサムを演じることにおいて、意識したところ、工夫したところを教えてください 「海外版のオリジナルの声質が大人っぽかったので、『私が思っていたよりも、この子はもっと大人なのかも』と思って、私なりにその落ち着きを出せるように演じてみました」 ――今まで演じられたキャラクターたちとは少し違うんですか? 「そうですね。見た目がちょっと特殊ですし、人間ではないバレリーナのバタフライというのもあって、今まで演じてきたキャラクターたちとは違う印象があります」 ――ブロッサムも含めて、コミカルなシーンも見どころですよね 「ツッコミ役というわけではないですけど、ブルーがパニックになっちゃったとき、ブロッサムがなだめるシーンがあって、そこがすごく面白かったです。私、多分キャストの皆さんのなかでも最初の収録だったので、まだ誰の声も入っていないときに収録したんですよ。『みんなどういう感じで声を入れるのかな?』と想像しつつ、面白いシーンになったらいいな、と思いながら演じさせていただきました」 ――実際にキャラクターたちのやりとりを観ていかがでしたか? 「皆さんすごくピッタリでしたよね。違和感がなかったですし、とても楽しく観させていただきました」 ――ブルー、ビー、カルのトリオについては、どんな印象を持っていますか? 「絶妙な組み合わせの3人だと思います。いつもニコニコしていて、ちょっと頼りないブルーと、やる気満々で一生懸命手伝いをしてくれるビー、そして大人な対応のカル。三者三様、デコボコで面白いなと思いました」 ――三森さん的にブロッサム以外で好きなキャラクターや気になるキャラクターはいますか? 「気になるのは、透明のキースですね。ずっと姿が見えなくて『どんな姿をしているんだろう?』と思っていました(笑)。最後にいろいろと分かることもあって、とどめのように心を持っていかれましたね」 ――本作は、伏線がしっかり張り巡らされていて、物語として非常に見どころがある映画ですよね 「そうなんですよね。登場人物たちと空想の友達とのつながりや、いろんなことが明らかになって、最後の最後に答え合わせができるような展開で......本当にジワッと心が温かくなるシーンが多かったですよね」 ――インタビュー前には舞台挨拶にご登壇されました。実際にファンの方と接する機会があるのは嬉しいものですか? 「私のファンの方は、過去の作品もいろいろ観てくださっているとは思うんですけど、新しいキャラクターに声を当てたとき、こうして一番に観に来てくださるのはすごく愛を感じるし、これから観に行こうと思ってくださる方がいるのも嬉しいです。そんな皆さんが『SNSになんて書き込んでくれるのかな?』と思うと、すごく楽しみで、ドキドキします」 ――子供にしか見えない空想の友達が出てくる本作ですが、三森さんは子供のころどんなお子さんだったんですか? 「『空想の友達がいた』というお話をさせていただきましたが、本当に夢見る夢子ちゃんというか(笑)。お人形とか、お絵描きとか、ごっこ遊びが大好きでした。外でアクティブに遊ぶというよりは、お家の中で遊ぶような子でしたね」 ――お友達ともお家で遊ぶことが多かったんですか? 「そうですね。小学6年生ぐらいになるまで、お友達と人形で遊んでいました」 ――子供のときって、そのなかでも新しい遊びを考えますよね 「確かに!最初は親が買ってくれたドールハウスで遊んでいたんですけど、だんだん物足りなくなってきて、可愛いお菓子の箱に家を作って、家具を配置していましたね」 ――子供の頃、三森さんのなかで友達ってどんな存在でしたか? 「すごく身近で、家族と等しいような大切な存在だったのかなと思います。当時は携帯電話を持っていなかったので、お友達の家電に『今から遊びに行くね!』と連絡して遊びに行っていました。もちろん電話番号も暗記していましたね(笑)。突然「こんにちは!」と遊びに行っても、友達のお母さんが『すーちゃん来たよ!』と受け入れてくれるみたいな...友達の家と自分の家の距離が近くて、すごく素敵な時間でしたね」 ――子供の頃って自由だし、なんでも楽しかったですよね 「そうですね。友達と道で大きい声で歌いながら歩いていても、全然恥ずかしい気持ちにならなかったです(笑)。自分の生きてるコミュニティーがそこにある感じでした」 ――子供の頃のお話までありがとうございました。最後に、本作を楽しみにされている方にメッセージをお願いします 「家族みんなで楽しめる作品だと思うんですけど、特に大人が観ると、子供のころのことをふと思い出して、めちゃくちゃグッとくるんじゃないかなと思います。ぜひ家族で、友達で観に来ていただきたいです」 文=浜瀬将樹
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