青汁パワー!?巨人・井上温大「最高です!」6回2/3を3失点で622日ぶり先発勝利…阿部監督も絶賛「100点」
◆日本生命セ・パ交流戦 巨人7―4ロッテ(6日・東京ドーム) 巨人がロッテを下し、2リーグ制後球団1万試合の節目を飾った。井上温大投手(23)は、7回途中3失点で622日ぶりの先発勝利を挙げた。チームは4カード連続勝ち越しを決め、セ・リーグ首位を守った。 【選手名鑑】井上温大の球歴、年俸 苦しみを乗り越えて味わう先発としての白星は格別だった。試合が決すると、井上に満面の笑みが広がった。今季2勝目で、先発ではプロ初勝利を挙げた22年9月23日・中日戦(バンテリンD)以来622日ぶりの勝利。「最高です。先発で勝ちがついたのが本当にうれしかったです。『絶対ローテーションをつかみ取ってやるんだ』という強い気持ちで臨みました」と充実感を漂わせた。 スピンの利いた最速149キロの直球に、カットボールなど課題の変化球も生きた。序盤は対角線上の球に逆球もあったが、「ミットより2、3球分、思い切って三塁側に投げる意識」で修正。2回2死一、二塁を乗り切り、3回から6回までは2安打に抑えた。自己最長の6回2/3を8安打3失点、無四球6奪三振で自己最多114球。阿部監督は「よく頑張ったと思います。100点だと思います。(無走者時)クイックを入れたり、時差投球もできるようになった」と成長をたたえた。 プロ初勝利後、6度目の先発でつかんだ白星。「本当にすごい成果が出ている」と感じるのは、かつて合同自主トレも行った内海投手コーチから勧められた習慣だ。制球力安定のために、4月下旬に「地道に泥臭い練習を続けてみたら? その先に自分で見えてくるものあるんじゃない?」と助言を受け、普段の18・44メートルよりも短い15メートルでの投球練習が日課に。良くても悪くても、「なぜ」を考えて反復練習を行った。 過去のけがを繰り返さないために体のケアはもちろん、オフから始めた一人暮らしでも習慣を変えた。大の野菜嫌いで「野菜はいつも水で飲み込んでいて、それがストレスになっていた」という中、“救世主”となったのは青汁。「毎朝飲むようにして、最初は野菜を食べるよりはマシだなと思っていたんですけど、おいしくて、飲みたくて飲んでるみたいになってきました」と笑った。 長い苦労を経て大きな1勝。「7回までいったことがなかったので80点ぐらい」と自己採点し、「次の登板もチームを勝ちに導けるように頑張りたい」と気持ちを新たにした。近未来の左腕エース候補が、このままローテの座を守り続ける。(田中 哲) ◆高木豊Point 若手は自信を持てれば自分の力を発揮しやすい。井上は前回登板(5月30日のソフトバンク戦)で4回をパーフェクトに抑えたことで、いいイメージを持って先発に臨めた。ボールの質はいいが、これまではまとまりがなく自滅も多かった。しかし7回のピンチで愛斗、岡に対して、内角を見せてフォークで三振に仕留めたように、自分の形で勝負することができた。同い年の堀田の頑張りも刺激になっているだろう。今後も期待ができる投球を披露してくれた。 ◆G井上の初勝利からの先発試合 〇22年9月23日VS中日(バンテリンD)6回7安打3失点 プロ初勝利。「持ち味である直球を中心にしっかりと投げ込むことができました」 -23・6・23VS広島(マ ツ ダ)4回5安打2失点 直球を中心に押すも勝敗付かず。「ピンチで粘り強く投げることができた」 ●23・7・15VSヤクルト(神 宮)4回4安打2失点 自己最速153キロを計測もプロ2敗目。「流れを持ってこられなかった」 -23・7・28VS中日(東京D)3回1/3、6安打4失点 初回に2ランを浴びるなど試合をつくれず。原監督は「ちょっとコントロールが悪すぎますね」 -23・9・3VS DeNA(横 浜)1回0/3、6安打7失点 2回までに4点の援護を受けながら自己最短KO。「中継ぎの方へ負担をかけてしまって申し訳ない」 ●24・4・20VS広島(マ ツ ダ)4回5安打4失点 初回の4失点が響き黒星。「ヒットが続いてのまれてしまった」
報知新聞社