復興財源新枠組みを 「第2期」後見据え財政需要増で 福島県、政府に要請
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興を政府が手厚く支援する「第2期復興・創生期間」(5年間)が2025(令和7)年度で終了するのを受け、県は18日、第2期終了後の復興財源の確保に向け、まずは2025年度までの復興財源フレームを見直すよう政府に申し入れた。福島市で開かれた福島復興再生協議会で、内堀雅雄知事が復興、経済産業、環境、農林水産の4大臣らに直接要請した。復興の進展で新たな財政需要が増大しており、第2期終了後につながる新たな枠組みを求めた形。内堀知事は2025年度政府予算編成に向けた今夏の概算要求に合わせ、財源フレーム見直しの根拠となる復興事業の大枠を明確にしたい考えを明らかにした。 協議会は冒頭を除いて非公開。内堀知事は終了後の取材で、30~40年かかるとされる福島第1原発の廃炉、2045年が法定期限の除染廃棄物の県外最終処分などを挙げ「福島の復興再生は長い道のりだ」と強調した。福島国際研究教育機構(F―REI、エフレイ)の運営、特定帰還居住区域整備など、復興の進展を踏まえ「新たに生じた財政需要は(第2期の)5年間で的確に対応していくことが重要だ」と訴えた。
第2期終了後の期間設定の在り方を問われた内堀知事は、政府などと具体的な協議には入っていないと前置きした上で「5年計画で整理されてきたこれまでの経過は一つの前提になってくると思う」との見方を初めて示した。政府はこれまで「集中復興期間」、「復興・創生期間」、「第2期復興・創生期間」と5年ごとに区切り、復興予算を一般会計から切り離した特別会計で管理し手厚い支援を講じてきた。政府の復興基本方針では、原発事故被災地は2030年度までの「当面10年」の支援を明記している。 政府は2020年7月、第2期復興・創生期間の復興財源を1兆6千億円確保すると決定。2011~2025年度までの15年間の復興財源は計32兆9千億円で、2024年度当初予算案を含めた執行見込み額は32兆6千億円。復興財源の残りは単純計算で3千億円程度となる。この残額で2025年度予算を賄う場合、6331億円とした2024年度予算案の半分程度になる形だ。