【長期レポート】ホンダZR-Vは快適性と走りの楽しさを両立したスタイリッシュなSUVだ<第1回 e:HEV Z(FF)編>
見た目がスタイリッシュなSUV
クルマは長く乗れば乗るほど見えてくるものがある。今回はMotor Magazine誌で掲載した長期レポート「ホンダZR-V」を紹介していこう。その第1回はe:HEV Z(FF)を贈る。(Motor Magazine 2023年9月号より) 【写真はこちら】最低地上高や重心はシビックよりも高いはずだが、コーナーが楽しいクルマである(全8枚) ZR-Vには1.5L直4ターボを搭載するガソリンエンジンモデルとe:HEVと呼ばれるハイブリッドモデル、そしてそれぞれにFFと4WDが用意される。ZR-Vの4モデルを1カ月ごとに1台ずつ試乗し、その乗り味や魅力を確認した。 初めてZR-Vを目にしたとき、開口部が特徴的なバーチカルグリルや細長くシャープなヘッドライト、そして低いルーフと流れるようなプロポーションなど、随分スタイリッシュなSUVだなという印象を受けた。 ZR-Vは、ホンダのSUVの中ではヴェゼルの兄貴分にあたり、日本では販売を終えたCR-Vとの中間に位置する。シビックとプラットフォームやパワートレーンが共通なので、“シビックのクロスオーバーSUV”という呼び方もできるのかもしれない。 パワートレーンは1.5L直4ターボエンジンと、2L直4エンジン+2モーターハイブリッドシステムを組み合わせたe:HEVの2種類が用意される。SUVらしく190mmの地上高と、シビックには設定されていない4WDも用意しているのが特徴である。 インテリアもシビックに近い直線基調のデザインとなり、ディスプレイやスイッチ類の配置など構成は共通だが、ソフトパッドやハイデッキセンターコンソールなどによって、さらに上質で、優しく包まれるような感じがある。 運転席に座れば、着座位置や目線が高くなることで、見晴らしが良いのもSUVならでは。それでいて着座姿勢はセダンに近く、足を投げ出すような形であるから、セダンやハッチバックから乗り換えてもあまり違和感はない。むしろ、適度なシート高によって、乗り降りが楽になるはずだ。 今回のテスト車は燃費性能と走りの楽しさを両立するハイブリッドシステムe:HEVのZ(FF)で、上級グレードにあたる。ホンダコネクトディスプレイ+ETC2.0車載器、BOSEプレミアムサウンドシステム、本革シート(運転席8ウェイ、助手席4ウェイパワーシート)、本革巻きステアリングホイールといった豪華装備が標準なのが最大のポイント。 また、外装上ではスタンダードグレードのXと異なり、フェンダーのモール部分などがボディ同色のカラードタイプとなっているので、より洗練されている印象だ。