米沢牛が東京で食べられる!高円寺に山形・飯豊町のアンテナショップ開店
日本三大和牛の一つ・米沢牛の約4割を生産する山形県飯豊町(いいでまち)のアンテナショップが24日、東京都杉並区の「高円寺純情商店街」にオープンした。米沢牛は約6割が生産地の山形県米沢市内で消費されてしまうといい、アンテナショップは東京で米沢牛を味わうことのできる貴重な場所となりそうだ。 JR高円寺駅北口にオープンしたのは、山形県飯豊町のアンテナショップ「IIDE(いいで)」。飯豊町の契約農場から直送した米沢牛をはじめ、山形県産米「はえぬき」、まだ首都圏では流通量の少ない飯豊町産日本酒「若乃井(わかのい)」などが楽しめる。店内では、蕎麦や玉こんにゃくなどの山形県ならではの食材も買うことができる。 出店のきっかけとなったのは、10年ほど前から「山形おきたま農業共同組合飯豊地区青年部」が都内で行っていた「稲作体験出前授業」。杉並区内の小学生が栽培した米(はえぬき)を使用した純米酒「純情」を作るなどの交流を続けてきた縁で、去年11月に物産店としてオープン。訪れる人々の希望もあり、実際に飯豊町の食材を堪能できるようにと24日、飲食店として再オープンした。 オープンを聞いて訪れたという女性は「米沢牛丼を食べました。お肉が柔らかくておいしかった。飯豊町の農家宿泊のツアーにも行ってみたい」と話す。この女性のようにランチを食べた客が店内に並ぶ商品を買っていくことで、この日「ぶっかけ生姜と米沢牛のごはんダレ」などの商品は用意した数十個が売り切れに。現在、入荷待ちの状態だ。
「IIDE」で働くスタッフに山形県出身者はいない。しかし、この店を通して後藤幸平飯豊町町長らと交流したことで、「ぜひ行ってみたい」とアルバイトの水野千晶さん(22)は話す。「IIDE」マネージャーの佐々木俊弥さん(51)も「飯豊町にはまだまだ魅力がいっぱいある。この店でお酒や牛丼を堪能して、魅力を感じてほしい」と話した。 週末には飯豊町の米農家による米の販売が、27日には「若乃井」の蔵元のトークイベントが予定されている。道行く人々の中には足を止めたり、店の看板を声に出して読んだりする人の姿もあり、人口7500人余りの飯豊町が、高円寺の商店街にじわりじわりと浸透しつつあるのを感じた。(山田恵介/THE EAST TIMES)