引退目前に輝き増すドクターイエロー、点検の合間に「表舞台」へ
新幹線のお医者さんとして知られるJR東海の「ドクターイエロー」が10日、親子連れら50人を乗せて新大阪―東京間を走った。ふだんは線路や架線を点検する「裏方」だが、来年1月の引退を目前に、「表舞台」に立つ機会が増えている。 【写真】開発トップが考える「N700S」の次とは ゴールなき新幹線の進化 午前10時すぎ、新大阪駅に黄色い車両が滑り込む。ホームに集まった人たちは、スマートフォンのカメラで何枚も写真を撮影していた。 神戸市の柚木仁さん(6)は、「かっこいい。将来は新幹線を運転したい」と話し、母と列車に乗り込んだ。ドクターイエローのロゴが入った黄色い靴を履き、関連グッズの黄色いペンケースを手にしていた。3時間55分の乗車後、東京では「はとバス」に乗るのが楽しみだという。 この日のイベントは、醸造酢などを手がける食品大手のミツカンが企画。車両を貸し切りにして開いた。同社の主力商品の「味ぽん」が10日に60周年を迎えたことから、先月1日に同じく開業60年を迎えた東海道新幹線とのコラボを、JR側が提案したという。体験乗車には、50人の定員に対し約150倍の応募があった。
朝日新聞社