「来月どころか来年の収入もゼロ」 農家に大きな被害、畑は泥に覆われ生活の糧失う 沖縄北部豪雨
北部豪雨で氾濫した国頭村の比地川と山に囲まれた場所には、農地が広がっている。豪雨から1週間以上が経過し、現地を訪ねると、農業用ハウスに流されてきたタンカンの木が突き刺さって折れ曲がり、畑は泥に覆われていた。濁流は農家らの生活の糧を奪い去っていた。 【写真】残った植物も泥などで汚れ、出荷はできない
ドラセナや花パインなど観葉植物を育ててきた大城政保さん(57)と息子の政志さん(28)は17日、雨の中で途方に暮れていた。10日早朝の川の氾濫で、ハウスや畑に泥が流れ込み観葉植物を襲った。丹精込めて育ててきた観葉植物は出荷できない状態だ。「来月どころか来年の収入もゼロ。損害額は1千万円を超えるはずだ。もう笑うしかない」。政保さんの表情は悲しげだ。 氾濫した川の水圧で折れ曲がったハウスは撤去し、無事だったハウスや畑にたまった泥をかき出さないといけない。やることは多いが、浸水した自宅と選別所の片付けに追われ、手が回らない。若手農家として奮闘してきた政志さんでさえ、頭を抱える。「やる気をなくす。何から手を付けたらいいのか分からない」 政保さんは「農家の収入は自然災害の影響を直接受けてしまう。個人の力ではどうにもならない。一日も早く行政には支援してほしい」と切に願った。 (玉寄光太)
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