4000万円超のフェラーリで北海道の雪道をドリフトした!!! 超高級スーパーカーの冬季性能に北海道で迫る
驚くほど扱い易い
カリキュラムは、走行前夜に座学を行ったのち、翌日は午前と午後に3時間ずつ、それぞれたっぷりと氷上走行を体験できるというもの。しかも、午前中はより扱い易い後輪駆動の日本車を用いて基礎練習を行ったうえで、午後は488チャレンジで本格的な練習を行うプログラムが組まれていた。 会場は苫小牧市郊外の弁天沼。イベントの宿泊先として用いられる新千歳空港内のポルトムインターナショナル北海道から車で30分ほどとアクセスが良好なうえ、安定した氷質が得られるのが大きな魅力の氷上専用コースだ。 いちばん最初にトライしたのは、日本車での定常円旋回。つまり、パイロンを中心にして、その周囲をドリフト状態のままグルグルまわり続けるトレーニングだが、ドリフト状態を作り出すのは簡単でも、それを安定した姿勢で維持するには繊細なドライビング操作が要求される。この定常円旋回は、雪上走行でもっとも重要な“タイヤが滑り始める感覚”と“雪上でのデリケートな運転操作”を学ぶのに、まさに好適といえる。 これを30分ほど行ったところで、おなじ日本車でいよいよ本コースを走行することになる。この種のコースは、低速コーナーが中心でストレスがたまりがちなものが少なくないのだけれど、弁天沼のコースはむしろ中高速コーナー中心で、実に爽快。もっとも、高速コーナーといっても車速はせいぜい60~70km/hなので、たとえ雪の壁に接触してもボディがかすり傷を負う程度で、ドライバーがケガをするとは到底、思えない。その意味でも実に安全なコースだといえる。 2時間ほど練習を積んだところでランチタイムとなるが、弁天沼のコースにはシンプルながらも暖房が効いた控え室が用意されているので、冷えた身体を温めるには最適。もちろん、清潔なトイレもあるので安心だ。 午後はいよいよ488チャレンジでの走行である。そのコクピットはいかにもレーシングカー然としているし、ステアリングは円形ではなくF1マシンのようなバーハンドルタイプなので緊張するが、いざ走り出してしまえば、そんなことを気にする必要はほとんどない。最初は、ステアリングを持ち返すことのできないバーハンドルでドリフトができるかどうかが心配だったけれど、ステアリングギヤ比が適切なため、まったくステアリングを持ち替えることなくカウンターステアを切れることは驚きだった。 唯一、難しいと思ったのがアクセルペダルのコントロールで、2500rpm付近から一気にトルクが立ち上がる領域があるので、いかにここを丁寧に使うかがスムーズにドリフト走行させる鍵を握っているように思えた。 といっても、檜井チーフインストラクターらがセッティングした488チャレンジは全体的に驚くほど扱い易く、自分でもビックリするくらいドリフト走行がうまく決まったことは、写真の見ていただければおわかりになるとおりだ。 なおフェラーリ チャレンジ オン アイスの参加については、近くのフェラーリ正規ディーラーにて問い合わせいただきたい。
文・大谷達也 編集・稲垣邦康(GQ)