海水浴シーズン ビーチで津波が来たらどうしたらいいの?
本格的な海水浴シーズンを迎えました。安全に海辺のレジャーを楽しむためには、水の事故に気をつけることはもちろんですが、もうひとつ忘れてはならないのが津波対策です。 【動画】最大でM9クラス 南海トラフ巨大地震ってどんな地震? 国の南海トラフ巨大地震の被害想定によると、マグニチュード9の地震が発生した場合、和歌山県串本町では地震発生から2分後に1メートルの津波が到達するとしています。また、関東から九州・沖縄沿岸を最大3~34メートルの津波が襲うと予測しています。このように、津波が発生した場合には一刻の猶予もありません。沿岸住民だけでなく、海水浴などで海辺にいる人も、いち早く津波の発生を知り、すぐに高台などに避難する必要があります。
サイレンや信号旗で津波を伝達
海辺のレジャー客が津波の発生をいち早く知ることができるためには、海水浴場の津波対策が重要です。海に入っている間は、携帯電話やスマートフォンなどの通信機器を持っていない場合が多いでしょう。このため、津波警報等が発表された際、通信機器を利用した情報伝達だけでなく、サイレンを鳴らしたり、信号旗を掲げたりといった伝達手段を確保しておく必要があります。 気象庁によると、実際に東日本大震災の津波の際には、海水浴やマリンスポーツなどで海上にいた人に、防災行政無線のサイレン等の音声による津波警報が風などの影響で届かなかった事例があったといいます。海水浴場の管理団体などには、サイレンなどの音声による伝達だけでなく、旗の掲出など視覚による伝達手段を確保する対策も求められています。
神奈川県の事例
視覚による伝達手段とは、具体的にはどのようなものでしょうか? 例えば、神奈川県内の沿岸市町では、津波の発生を知らせるために「オレンジフラッグ」を掲げる取り組みを進めています。大津波警報・津波警報・津波注意報が発表された際には、海浜利用者、特に陸地からの音声による伝達が難しい海上でマリンスポーツをしている人に対して、注意喚起と避難を呼びかけるために同フラッグを掲げることとしています。 同県では、東日本大震災後の2013年3月、県や沿岸市町などで構成する「神奈川県津波対策推進会議」で「神奈川県における津波避難用オレンジフラッグ取扱基準」を定め、オレンジフラッグの取り組みを進めています。今年7月に県内各地であった津波避難訓練では、相模湾沿岸のいくつかの市町で実際にオレンジフラッグを活用した避難訓練を実施し、海水浴客にも訓練に参加してもらいました。