オランダのマクシマ王妃、パリの美術館を訪問!
オランダのマクシマ王妃はオランダ人アーティスト、ヴィヴィアン・サッセン展を見学するため、パリのマレ地区にあるヨーロッパ写真美術館を訪れた。フランスの「マダムフィガロ」誌の記者による同行取材リポート。 【写真】パリの美術館を訪問したオランダのマキシマ王妃ほか 肌寒い朝、急ぎ足で通り過ぎようとしていた人々がいぶかしげに足を止めたのは、カメラマンや記者たちがヨーロッパ写真美術館(MEP)の前で群がっていたからだ。ロープも張られている。何事だろうと美術館に目をやると、オランダのマクシマ王妃が美術館の門をくぐるところだった。自撮り棒やプロ用カメラ、脚立などの重装備を見れば、たとえ取材陣であっても王妃の写真を撮るにはひと苦労であることがわかるだろう。
王妃の訪問
歩数まで計算された見学が始まった。取材を許された記者やカメラマンが館内に通された。ベテランカメラマンは一歩も譲らない。王妃の「クリアな」画像、つまり誰かの頭や他社のカメラが映りこまない写真を撮るには場所取りが重要だからだ。いずれにせよ、各社取材陣は互いにややギクシャクしながらも、王妃のスタッフと美術館側が綿密に準備した行程に従い、部屋から部屋へと移動した。 どの部屋でもやることは同じだ。ロープが張られた後ろで誰もが静かに王妃の登場を待つ。王妃が現れると、一斉に活気づき、控えめな押し合いへし合いが始まり、フラッシュがたかれる。体をねじ曲げたり、できるだけ腕を上に伸ばして頭越しにカメラを構えたり(この体勢を取ると体はプルプル震えるが、鮮明な写真を撮るには効果的だ)と、体を張っての写真撮影だ。
取材陣と王妃
王妃の方は当然のことながら取材慣れしている。今日の装いはキャメルのロングコートに茶色のハイヒール。昨晩、パリ装飾美術館を公式訪問してブリジット・マクロン大統領夫人の出迎えを受けた際に着ていた、華やかなイリス・ヴァン・ヘルペンのガラドレスとは対照的なシンプルさ。見学はまず取材陣抜きで始まった。案内するのはヴィヴィアン・サッセン本人、当美術館のサイモン・ベイカー館長、今回の展覧会のキューレーターのクロチルド・モレットだ。 堂々とした女性の身体を表現したシュールレアリスティックで色彩鮮やかな作品を王妃は見て回った。しばらくしてようやく、王妃がリラックスした微笑みで取材陣の前に現れた(その時だけはみんな驚くほど規律正しかった)。ボディガードを伴っていないことに驚きながら写真を撮ろうとすると、王妃はサッとドアの向こうに姿を消してしまった。