飲食店の倒産が過去最多…すき家、大戸屋の運営元が“逆境下でも業績好調”なワケ
復活の兆しを見せているビッグボーイ
ステーキ・ハンバーグのビッグボーイ、ファミレスのココス、焼肉食べ放題が人気の熟成焼肉いちばん、スパゲティのジョリーパスタなどがファミリー客に支持されている。これらを含むレストラン事業は売上は1407億円、営業利益は78億円、営業利益率は5.5%となっている。 特に2002年ダイエーから買収したビッグボーイは店舗を改装し、ロゴを刷新し巻き返しを図っている。店舗数は207店舗(2022年8月時点)である。2020年以降は統廃合でかなり店舗数を減らしたが、前年(2023年)以降は残存店舗の一部を「炭火焼レストラン」として順次改装し、復活の兆しを見せている。 ビッグボーイは人手不足の中でDXをより積極的に推進している。店内に入って案内もロボット、オーダーもタッチパネル、料理提供は配膳ロボット、会計はセルフレジと一連のプロセスをほぼ無人化している。
外食業界5位のコロワイド
コロワイドは今後の中長期的計画として、2027年3月期の売上2893億円、EBITDA (利息、税金、償却前利益)258億円、ROE(自己資本利益率)8%を目標値にしている。社名の「COLOWIDE」は、人が生きていく上で大切な要素である勇気(Courage)、愛(Love)、知恵(Wisdom)、決断(Decision)をひとつにまとめたものである。 1963年設立で今年61年目と歴史ある外食企業だが、事業をM&Aで飛躍的に拡大し注目されてきたのは2012年に買収したレインズ(牛角やしゃぶしゃぶ温野菜などを運営)の頃ではなかろうか。その後も、2014年カッパ・クリエイト(かっぱ寿司)、2020年大戸屋などの買収で事業規模の拡大だけではなく知名度を高めてきた。 主に3つの事業分野ごとに子会社化し権限委譲と利益責任を明確にしており、グループ62社を束ねている。店舗数は2583店舗で、直営1403店舗、FC1180店舗を有している。売上は外食業界5位で2413億円である。 焼肉の牛角、しゃぶしゃぶの温野菜、回転寿司のかっぱ寿司、定食の大戸屋、ステーキの宮、居酒屋の甘太郎などがコロワイドの代表的なブランドで認知度も高い。特に最近ではお家騒動で混乱していた大戸屋のホワイトナイト役として認知度を向上させたようだ。