「飲み会でダメ出し」だけは絶対にやってはいけない。じゃあ、どうする?
「飲み会でダメ出し」だけは絶対にやってはいけない。じゃあ、どうする? そう語るのは、これまで4300社以上の導入実績がある組織コンサルタントである株式会社識学の代表取締役社長・安藤広大氏だ。「会社員人生が変わった」「もう誰も言ってくれないことがここに書いてある」と話題の著書『リーダーの仮面』では、メンバーの模範として働きつつ、部下の育成や業務管理などで悩むリーダーたちに「判断軸」を授けている。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、注目のマネジメントスキルを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健) ● 飲み会が減ったのはチャンス リモートワークが普及しました。 ムダな会議が減ったり、モチベーション管理をしなくなったり、飲み会が減ったりなど、さまざまなメリットが生まれました。 上司と部下が適度な距離を保ち、感情が生じないようにするのは、重要なことです。 リーダーが部下と距離を置くのは、「平等性」を保つためです。 「この組織は平等だ」という意識を全員が共有していることが大切です。 厳密な意味で「平等を保つ」というのはとても難しいことです。 ただ、私も前の会社でそうだったのですが、部下との距離が近いと、平等にしているつもりでも「なんか、あの人にえこひいきしているんじゃないか」といった印象を持たれやすくなります。 お互いの距離が近いと、ちょっとした差が大きなものに感じます。 1メートルしか離れていなかったら、10センチの差ですら「大きな差」に感じます。 100メートルも離れていれば、10センチの差は「誤差」になります。 だから、部下とはできるだけ距離をあけたほうがいいのです。 ● 「飲みニケーション」は完全に終わった 「あとで飲みに誘って指導しよう」 「2人でメシに行って本音を聞き出そう」 そんなマネジメントは、コロナにより失われたと思ってください。 飲み会でダメ出しをするようなことは、絶対に起こってはいけないのです。 じゃあ、どうするのか? 「業務中に指摘すべきことは、業務中に指摘する」のです 当たり前のことです。 そのためにも、意識的に距離をあけましょう。 世間には「言い訳を聞いてあげるのがいい上司だ」という風潮があります。 上司が部下に対して「わかるわかる。気持ちはわかるけどさ。頑張っていこうよ」と励ましてしまう。 そういう状況はマズいのです。 リーダーには、「割り切り」が大事になってくる場面があるのです。 「あの人、最近、付き合い悪いよね」という噂が聞こえてきたら、おめでとうございます。リーダーにふさわしい振る舞いになった証です。 (本稿は、『リーダーの仮面』より一部を抜粋・編集したものです) 安藤広大(あんどう・こうだい) 株式会社識学 代表取締役社長 1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモ、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)を経て、ジェイコム株式会社にて取締役営業副本部長を歴任。2013年、「識学」という考え方に出会い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2024年4月現在、約4000社の導入実績がある。主な著書に『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』のシリーズ(いずれもダイヤモンド社)がある。
安藤広大