分身ロボット「オリヒメ」が名古屋のカフェで活躍中…難病や障害のある人が接客
どちらのドリンクになさいますか――。難病や障害のある人が分身ロボットを介して接客するカフェが、名古屋市中区栄のリッチモンドホテル名古屋納屋橋に1日、期間限定で開店する。接客を担当するスタッフは外出困難な人らで、先端技術を使って社会参画をする新しい手段として注目されている。 使われるロボット「OriHime(オリヒメ)」には、カメラやマイクが搭載され、自宅などにいるスタッフが手や顔を操作して、客に話しかけることができる。料理を紹介する接客のほか、近くの観光案内、趣味などの会話にも応じる。 ロボットを開発したのは、吉藤オリィさん。幼少期に病気がちで不登校になり、「学校に行くもう一つの分身があったらいいのに」という吉藤さんの思いが、開発の基にある。大学で工学を学びながらロボット製作を始め、2015年に製品化した。 オリヒメは、21年にオープンした東京都の日本橋店のほか、期間限定で営業する全国のカフェで活躍している。大手ファストフード店や個人店でも導入が始まっている。スタッフを希望する人の倍率は、最近は10倍近くあるという。 今回、スタッフとして働く一宮市在住の前田花菜さんは、語学力に自信があり、外国人観光客も担当する。前田さんは「自宅にいながら全国、世界中の人たちと会話できてとても楽しい」と笑う。吉藤さんは「体を動かすことが難しくなっても、働き続けられる世の中を作っていきたい。今は人工知能がはやっているが、人の価値について考えてもらうきっかけにしたい」と語っている。 営業は17日までの正午~午後6時。特設サイトからの事前予約が必要。