ジュディ・オング「台湾の祖母直伝の〈医食同源・薬膳レシピ〉。96歳の今も元気!肌もつやつやでシミひとつなし、私の目標」
いつも溌剌としているジュディ・オングさんの美と健康の源は、薬膳。ふだんの食卓に取り入れられる、シンプルなレシピを教えます(構成=山田真理 撮影=川上尚見) 【写真】「温・平・寒」の食材の例 * * * * * * * ◆祖母直伝の「医食同源」 薬膳と聞くと、サルノコシカケをはじめとする漢方生薬(八角、紅花、当帰など)を揃えるのが大変、というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。 でも、私が紹介する薬膳食材はふだんスーパーで買えるものがほとんど。調理時間も短く、仕事から帰って「今日はあの料理を食べたいわ」と思って作り始めても苦にならないくらい、簡単なものばかりです。 というのも、私の薬膳の知識は、台湾の翁(おきな)家の日々の食卓で自然に覚えたものだから。祖母から母、そして私へと受け継がれてきた「医食同源」の知識なのです。 中国には「上医治未病」という言葉があります。良いお医者さんは、病気になる前に防ぐという意味。私はこの「医」を、台所を差配する人と考えています。そう、台所にいる人が一番えらいんです! 子どもの頃から台湾の家では、食物の種類や効能を教えられました。「朝食には胃にやさしい野菜のおかゆを食べて、胃腸と肌をキレイにしなさい」とか、吹き出ものができると、「今日は《温》の揚げものは控えて」。私の体質や体調を見て選んでくれていたのです。
たとえば夏の暑い日に遊んで帰ると、祖母が「妹妹(メイメイ)ちゃん(ジュディさんの愛称)にはこれ」と、キュウリと豚肉の炒め物やトマトにゴマとお酢と砂糖をかけたものを出してくれる。 食べると体にこもった熱がすーっと引くのを感じて。そうやって体で覚えてきたんですね。 来日してからも、母がスーパーで「今日は寒いから、体を温めるピーマンの牛肉詰めかしら」とつぶやきながら買い物をするのを横で見ていました。 芸能界デビュー後、「魅せられて」のヒットで超多忙になりましたが、「疲れたときにはこれが一番」と母が作ってくれたのは、後でご紹介する、翁家特製の「鶏酒(ケイチュウ)」でした。 自然のエネルギーをいただく薬膳の食生活を続けているおかげで、仕事が忙しい時期も乗り切れて更年期の不調も特に感じませんでした。母は現在、台湾で暮らしていますが、96歳の今も元気!肌もつやつやでシミひとつないし、私の目標です。