全国の公害被害者団体、環境相に抗議 水俣病の発言遮断問題巡り
全国の公害被害者団体などでつくる「全国公害被害者総行動実行委員会」のメンバーは5日、環境省で伊藤信太郎環境相と面会し、水俣病など全国各地の公害被害の実情を訴え、公害の根絶を求めた。 例年、総行動は6月の環境月間に合わせて実施し、49回目。面会の冒頭、実行委側は、水俣病被害者の発言遮断問題について「環境行政の根幹に関わる問題で、看過できない」と抗議。伊藤氏は「大変遺憾で申し訳ない」と改めて陳謝した。 水俣病不知火患者会の岩崎明男会長(70)は、発言遮断は「怒りで体が震えた」と強調。水俣病被害者救済法による救済策を巡る訴訟で多くの原告が水俣病と認められたことに触れ、「一刻も早い救済のため、大臣の強いリーダーシップが求められている」と語った。伊藤氏は、患者・被害者団体との再懇談の場では丁寧に意見交換を行うとし、継続的な協議の開催についても約束した。 また、国会内では水俣病被害者や超党派の議員連盟による集会が開かれ、被害者らは、水俣病の早期全面解決に向けた政治的な働きかけなどを求めた。 (岡部由佳里)