インターネット接続サービスが「Wi-Fiルーター見直しの日」と連動して中継機をプレゼント、ISPとWi-Fiの関係をニフティに聞く
INTERNET Watch編集部では、11月11日を「Wi-Fiルーター見直しの日」とし、家庭でWi-Fiルーターの見直しをすることを、2023年から提案している。特にトラブルなくインターネットを利用できていると、メンテナンスせず何年も「置きっぱなし」状態になってしまうこともあるWi-Fiルーターを、年に一度くらいは気にかけてあげようという趣旨だ。 【画像】ニフティがオフィスを構える新宿フロントタワーを訪ねた 「見直し」を行って、設定に問題がないことを確認したり、サポートが終了していたら買い替えを検討したりすることで、自宅のWi-Fiルーターへのサイバー攻撃を抑止でき、家庭用Wi-Fiルーターを「踏み台」として悪用するタイプの、より大きなサイバー攻撃への抑止にもなる。 ■ 都会では5GHzもパンパンに……だから、希望者全員にWi-Fi 6対応中継機をプレゼント そして、インターネット接続サービスを提供しているニフティでは、この「Wi-Fiルーター見直しの日」にタイミングをあわせたキャンペーンを、11月1日から実施中だ。 なぜインターネット接続サービスが「Wi-Fiルーター見直しの日」に興味を持ち、このようなキャンペーンを行うことになったのか、詳細をニフティに直接聞きに行ってみたので、お伝えしていこう。 今回説明してくれたのはサービス統括部営業グループ 次長の矢倉浩太氏と、サービス統括部事業開発グループ ISP企画チームの塚本康夫氏だ。 まず、今回行われるキャンペーンの内容だが、「@nifty光 3年プラン(N)」のホーム/マンションどちらのタイプでも、新規申込者に4万8000円相当(@nifty利用料金として充当した場合)が貰えるほか、希望者全員にバッファロー製のWi-Fi 6対応中継機「WEX-1800AX4EA」もプレゼントされるというものだ。 ▼キャンペーンページ @niffy光 キャンペーンページ まず、もらえるポイントは「ニフティポイント」として、8、10カ月目にそれぞれ1万ポイント、12カ月目に1万2000ポイントが付与。合計で3万2000ポイントが提供される。ニフティポイントは電子マネー交換などのさまざまな使い方ができるのだが、1ポイント=1.5円として「@nifty使用権」に交換して@nifty光の利用料金に充当することで、4万8000円の最大割引が受けられる仕組みになっている。 具体的な使用例をチェックすると、新規契約の月額料金は20カ月の割り引きがあるので、その後の利用料金に充当することにより、月額料金がホームタイプで11カ月分、マンションタイプなら15カ月分が無料となる換算となる。ほぼ1年間の無料期間がプレゼントされるというイメージになる。 「@nifty光3年プラン(N)」は、NTT東西が提供する最大1Gbpsの「フレッツ 光クロス」回線を用いた光コラボレーションモデルの、3年契約プランとなっている。2年ではなく3年プラン限定のキャンペーンになっている点は注意してほしい。モバイル回線とのセットの割引は、auまたはUQ mobileの対象プランと、ニフティが提供するMVNOの「NifMo」にて対応している。 ■ 「回線が遅いのではなく、Wi-Fiが遅い場合も多い」「都市部では5GHz帯も混雑している」 ニフティでは、宅内の通信環境の改善に力を入れているという。ユーザーから回線が遅いという問い合わせがあって調査してみると、回線接続には異常がなくて、いつもPCやスマートフォンを使う場所のWi-Fiの電波状況が悪いのが原因、というケースが多く見受けられたそうだ。 そのような場合、Wi-Fiの電波を届けるための中継機を自宅内の適切な場所に設置することで、改善が見込める。今回のキャンペーンは、このような事例を受けて、快適なインターネット回線に加えて家庭内の通信環境も提供することを目指したものだと言える。 プレゼントされるバッファロー製の中継機「WEX-1800AX4EA」は、Wi-Fi 6やメッシュ接続の標準規格「Wi-Fi EasyMesh」に対応する。理論値の最大通信速度は、5GHz帯が1200Mbps、2.4GHz帯が573Mbpsで、ギガビット対応の有線LANポートも備えている。この有線LANポートは、メッシュ接続時に相互を繋ぐバックホール回線として使う設定も可能で、無線の周波数帯を邪魔せずにメッシュ接続を使うことができる。高性能で使いやすい人気の中継機だ。 筆者も以前WEX-1800AX4EAを活用した記事を執筆していて、使い勝手が良いことは確認済みだ。 「サポートで実際に家庭を訪問することもあります。その際に多いのが、近隣のWi-Fiの混雑による電波干渉です。都市部では5GHz帯ももうパンパンに混雑しています。Wi-Fi 6Eで使える6GHz帯はまだ空いているので、ここを使うのがベストなのですが、現在使われているスマホやPCでは使えないことも多いため、目先の対策として、“よく使う場所”の電波が良くなるよう、中継機やメッシュを使って電波の強いエリアを作ることをお勧めしています。こうしたことで電波は余計に混雑してしまう可能性もありますが、例えば電波の入りにくい部屋の入口付近に、中継器を置くなどしていただければ、良くない影響を最小限にして、快適な利用ができるようになるかと思います。」(塚本氏)と教えてくれた。また、「昔はマンションで部屋が狭ければ、あまり電波の飛びは考慮しなくても良いとも言われていましたが、最近はそうでもありません」(同氏)という事情もあるという。 こういった状態に、プレゼントされたWi-Fi中継機を使って欲しいとのこと。 また、インターネット接続サービス事業者(ISP)としてサポートする際には、原因が回線なのかWi-Fiルーターなのか、はたまたスマホやPCなのか、切り分けることがとても難しいことが多いという。 そこで、自宅の通信速度が遅い場合にチェックしてほしい7つのポイントを公開し、まずはここで確認してもらっている。ニフティではサポートの内製化を完了して、オペレーターによる聞き取り方の違いをなくし、誤解なくサポートが進められるようにしているとのことなので、サポートの充実には期待して良いだろう。 ■ 「最近は契約の3割が10G回線」「体感すると違いをわかっていただける」 また、紹介したキャンペーンとは異なるが、より高速な「@nifty光 ホームタイプ 3年プラン(N)10ギガ」では、同じく12月2日まで新規契約者向けに、ニフティポイントを4万5000ポイント提供するキャンペーンも併せて実施している(こちらは中継器のプレゼントはない)。ポイント数は減るが、マンションタイプや事業者変更、転用でも恩恵は受けることができる。 ▼10ギガのキャンペーンページ バリ速! 10ギガエリア拡大キャンペーン 「10Gの回線を体感すると、やはり快適なのが分かると思います。ニフティでは最初の1年間は1G回線と同等の料金で使えますので、お試し感覚で比べてみて頂いても良いかと思います。スマホの利用が多く、あまり体感できなければ、1年後にまた1G回線に戻していただいても構いません。おそらく納得いただけるレスポンスだと思います。主にゲーム系で使われてる方が多いのかなという印象はありますが、現時点で全体の30%は10Gの契約になっています」(矢倉氏)とのこと。 10Gと1Gで、料金があまり変わらないので選択が悩ましいところだが、10G回線ではWi-Fiルーターも10G対応の速度の出る高価なモデルで対応しないと、速度アップの恩恵をしっかり受けられない。そのためにニフティでは、推奨機器の分割購入もできるようになっている。 回線速度に関しては、一般的な計測サービスを使い、「@nifty光サービス」のニフティ社内検証環境とモニターユーザー宅での2週間分の実測結果の平均値を表示するページで、有線LANとWi-Fiで10Gと1Gに分け接続別に見やすく公開している。このページは「サポートのときにも、自宅回線速度と比べて頂くように案内しています(塚本氏)」とのこと。直近の平均実測値になるので、乗り換え時などに自身の環境と比較しやすいだろう。 「老舗と呼ばれることも多いニフティですが、“安心して、安全に回線を使っていただけること”は当然として、常に新しいことに挑戦していきたいと考えています。そして、その結果として、昨年10G接続をリリースしています。また、最近、カスタマーサポートを完全に内製化することができたのですが、これにより、ユーザーと直接対話できるようになり、スピード感を持って改善ができていると感じています。“長年、ネット回線で困ってたけど、二フティにして解消した”みたいなユーザーの声があるとうれしいですね。ユーザーの声を一番大事にしたいという思いがあります」(矢倉氏)と語ってくれた。 「Wi-Fiルーター見直しの日」に連動したキャンペーンは1Gの契約向けとなるが、10Gも見据えつつ、まずはお得に3年使ってみるというのはいかがだろう。その間、プレゼントされた中継機も一緒に使いこなせば、Wi-Fiの電波エリアでも不満なく使えるはずだ。
INTERNET Watch,村上 俊一
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