大相撲・三月場所は開催へ 天皇誕生日、一般参賀は中止 ―新型コロナ対応
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大勢の参加者が見込まれる各種イベントは開催の可否判断など対応を迫られている。
大相撲は予定通り開催
日本相撲協会は、大阪市内で3月8~22日に開催される大相撲三月場所は予定通り開催する方針だ。開場となるエディオンアリーナ大阪には約7000人の観客が収容可能。2月19日現在、15日に渡る場所中の前売り券が完売している。
一方、日本相撲協会によると、これまで各場所前に行ってきた、力士が乳幼児を抱きかかえて記念撮影するイベントについては、力士の抱きかかえをやめて、乳幼児を抱いた保護者と力士が並んで撮影する企画に変更した。「濃厚接触」を避ける意味合いがあるとみられる。場所中の来場者への注意喚起などについては、「他のスポーツイベントの対応を見ながら検討する」としている。
花見シーズン間近、新宿御苑・上野公園「現時点で規制検討せず」
3月に入ると、桜の花見シーズンを迎える。東京の桜の名所、「新宿御苑」を管理する環境省は「現段階では花見の中止などの規制は検討していない」と説明。
毎年大勢の花見客を集める上野恩賜公園を管理する東京都も、花見客への注意喚起などの対応は「何も決まっていない」と言う。いずれも、今後の感染状況をみながら対策を考える姿勢だ。
天皇陛下の一般参賀、アイドル握手会などは中止
23日には、天皇誕生日の一般参賀が予定されていたが、宮内庁は17日、これを中止すると発表した。同庁は、「多くの人々が集まる一般参賀で、新型コロナウイルスの感染が拡大する可能性」を考慮したと述べた。2018年12月23日に行われた、上皇さまの誕生日を祝う一般参賀には、8万2850人が訪れた。今回は、令和初の天皇誕生日とあって、相当程度の参加者が見込まれていたとみられる。 この他にも、東京ビッグサイトの広報担当によると、9日に予定されていたアイドルグループSKE48の握手会、2日と9日に予定されていた日向坂46の握手会がいずれも中止となった。 3月1日に都内で開催予定の「東京マラソン2020」は、主催者側が「都内で複数の感染者が確認される中、多くの一般ランナーが参加する本大会を実施することは困難」と判断し、一般参加選手の出場中止を決定。当初は10キロの部を含めて計約3万8000人のランナーが出走予定だったが、男女のマラソン、車いすマラソンのトップ選手約200名のみの参加に変更した。当選倍率約11倍という狭き門をくぐり抜けて出場予定だった一般参加者にとっては、残念な結果となった。 27日から3月1日までの4日間、横浜市のパシフィコ横浜で開かれる予定だったカメラ機器の展示会「CP+(シーピープラス)2020」も、14日に中止が発表された。主催するカメラ映像機器工業会は期間中、約7万人の来場を見込んでいたが。同展示会の事務局は「中止せざるを得なかったのは非常に残念。来場者の安全を第一に考えた結果、苦渋の決断となりました」としている。CP+は、カメラの最新機種や関連機材を実際に手にとって確かめられるとあって、毎年多くのカメラファンが楽しみにしている展示会で、ネット上では「中止でガッカリ」「残念だけど、致し方なし」などとカメラファンの投稿が相次いだ。
厚労省は「可能な範囲の対応」呼び掛け
厚生労働省は、「国民の皆様へのメッセージ」を発表しており、この中で「多くの方が集まるイベントや行事等に参加される場合も、お一人お一人が咳エチケットや頻繁な手洗いなどの実施を心がけていただくとともに、イベントや行事等を主催する側においても、会場の入り口にアルコール消毒液を設置するなど、可能な範囲での対応を検討いただけますようお願いいたします」と呼び掛けている。 (取材・文:具志堅浩二)