ジェフ・ベゾスらトップコレクター3人の資産がテック株暴落により約2兆円超の損失。美術界への影響は?
著名な美術品コレクターの顔も併せもつ3人の経営者、ジェフ・ベゾスとラリー・エリソン、そしてベルナール・アルノーは、テック企業の株が8月5日に急落したことで、総額200億ドル(約2兆9545億円)以上の純資産を失った。 ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、アマゾンの創業者であるベゾスは純資産152億ドル(約2兆2468億円)失っており、ソフトウェア大手オラクルを率いるエリソンの純資産は44億ドル(約6500億円)減少したという。 そして、高級ブランドコングロマリットLVMHのCEOを務めるアルノーは、8月上旬に12億ドルの損失を出しており、2024年に入ってから彼は総額250億ドル(約3兆6925億円)の資産を失っているという。これにより彼の純資産は1820億ドル(約27兆円)に減少したとブルームバーグは報じている。 ビリオネアたちの純資産がなくなってしまった要因として、ナスダック100指数が8月上旬に3%下落したことが挙げられる。また、米労働省労働統計局が金曜日に発表した雇用統計によると、雇用が減速し失業率が3年ぶりの高水準となった。 アルノーとエリソンはともに美術館運営にも携わっている一方、ベゾスは高額な現代美術を密かに集めているという。いずれの経営者もARTnews US版が選出するトップ200コレクターズに選出されている。 一般的に、富裕層が同様の損失に直面した場合、慈善活動や収集活動に影響がでることはほとんどない。 例えば、ウォルマートの株価が2015年に30%下落し、相続人たちが合計400億ドル(約6兆円)以上の純資産を失ったとき、世界で19番目に裕福な人物であるアリス・ウォルトンは、2020年に開館したアーカンソー州のクリスタル・ブリッジーズ・アメリカン・アート美術館に収蔵する作品の購入を続けた。ウォルトンは、美術館のイニシアチブを拡大し続けるために牧場経営から同年に手を引いている。(翻訳:編集部)
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