定年後は健康保険を「継続」する予定です。妻を扶養に入れるなら「特例退職被保険者制度」もあるようですが、「任意継続被保険者制度」とは何が違うのでしょうか?
任意継続被保険者制度との違い
任意継続被保険者制度は、特例退職被保険者制度と同じく在職中に加入していた健康保険の被保険者になることができる制度です。 「資格喪失日の前日までに被保険者期間が継続して2ヶ月以上ある人」であれば加入できるため、最短でも10年以上被保険者期間が必要な特例退職被保険者制度と比べて要件を満たしやすいと言えます。 ただし、任意継続被保険者制度は、加入期間が「任意継続被保険者となった日から起算して2年を経過するまで」で、その後は国民健康保険制度などほかの健康保険に加入する必要があるため注意してください。 任意継続被保険者制度の保険料は、「退職時の標準報酬月額」または「健康保険の全被保険者の平均標準報酬月額」のうちいずれか低い額に保険料率を乗じた額で、全額が本人負担となります。 任意継続被保険者制度と特例退職被保険者制度のどちらも、保険料は組合によって異なるため、加入前に組合等に確認しておくのがおすすめです。 任意継続被保険者制度と特例退職被保険者制度は、退職後に家族を扶養に入れられる制度ですが、それぞれ異なるメリット・デメリットがあるため、制度をよく理解して自分の退職後の状況などを鑑みて選びましょう。
まとめ
特例退職被保険者制度とは、任意継続被保険者制度と同じく、在職中の健康保険と同程度の保険給付と保険事業が受けられ、家族も扶養に入れられる健康保険制度です。 任意継続被保険者制度は加入期間が最大2年間なのに対して、特例退職被保険者制度では退職後から75歳で後期高齢者医療制度に加入するまでの間は加入できます。 特例退職被保険者制度を扱っている組合は少ないですが、扶養する家族がいる人にはメリットも多い制度なので、組合に特例退職被保険者制度がある場合は比較検討してみましょう。 出典 厚生労働省 任意継続被保険者制度について 執筆者:梅井沙也香 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部